拍手お礼
My Angel


―――アレ?先生、携帯忘れて行っちゃった。
土曜日の昼下がり、あたしは先生のアパートに遊びに来ていたんだけど、ちょっと用事があるからと先生は出掛けてしまっていた。
すぐに戻って来るからって、あたしは部屋で待っていると先生の携帯が鳴り出した。
勝手に出るわけにもいかないし、どうしようって迷っているうちに暫くして切れてしまった。
…見ちゃいけないってわかってはいたけど、やっぱり恋人になると気になるじゃない?
まあ、先生に限ってそういうことはないと思うんだけどね。
そっと、携帯を手に取ると…。

『あっ』

ヤダっ、何コレ…。
待ち受け画面には、なんとあたしの寝姿が…。
それも、ソファーで転寝ってやつ?
大体これ、いつの写真?それに誰が撮ったのよ。

『あっ』

こんなことをするのは、約一名兄貴に決まってる。
それより、これを誰かに見られでもしたらどうするのよっ!
ちょっとは嬉しいってのもあるけど、やっぱり恥ずかしいし、内緒っていうのもねぇ。



「千春ちゃん、ごめんね。遅くなっちゃって」

先生が、用事を済ませて帰宅すると、愛しい彼女の姿はそこにはなく…。

「千春ちゃん?」

『あっ』

忘れていったテーブルの上の携帯電話の側に、メモが一枚。


―――肖像権の侵害!!画像を消すまで、先生とは絶交ですからねっ―――

うわぁっ―――。

バレちゃったよぉ…。

いつもは、シークレットモードにしているのに今日に限って忘れてたとは…。
この画像、気に入ってたのになぁ…。
でも、千春ちゃんに絶交なんて言われたら、僕はどうすればいいんだよぉ…。

それからすぐに先生は泣く泣く、超お宝秘蔵の寝姿を消すと、千春の元に向かったのでした。


おしまい


NEXT
BACK
INDEX
PERANENT ROOM
TOP


Copyright(c)2006-2013 Jun Asahina,All rights reserved.