「…やぁっ…んっ…イ…アン…」
「しっ!涼さん、そんな大きな声を出したら凛さんに聞こえますよ?」
「そんなこと…言ったって…ぁっ…」
イアンは行くところがなくて、リックと共に涼の家に世話になっていたのだが、気を利かせているのかいないのか、凛が二人を同じ部屋に住まわせていた。
というのも、涼が抱き枕がないと眠れないからで…。
しかし、あの日以来歯止めが利かなくなっているイアンは、こうやって毎晩のように涼に迫ってくるわけで…。
「ここ、気持ちいいんですか?」
「もうっ、イアンったら、どうしてそういう意地悪なこと言うわけ?」
「それは、涼さんが可愛いからですよ」
こういう言い方をされると、これ以上言い返せなくなる。
それを多分、イアンは知っていてワザと言っているのである。
「…ぁっん・・・イアン・・・っ…」
「なんですか?涼さん」
「もっ…と…」
「もっと?」
やっぱり、イアンは意地悪だ。
彼のモノはおっきいから、あんまり奥まで入れてくれない。
それが、涼には少し不満だったのだ。
だけど、そんなこと口には出せなくて…。
「涼さん、ちゃんと言ってくれないとわからないですよ?」
「…奥…まで…入れ…て」
「いいんですか?」
「…っん…イアンを…もっと感じ…たいの」
「涼さん…」
「痛かったら言ってくださいね?」とイアンは、更に奥深く涼の中に入ってくる。
「…っあぁぁぁ…んっ…っ…」
涼は指を銜えてなんとか声を我慢していたが、全身に電流が走るような衝撃につい声が大きくなってしまう。
「涼っ…さ…ん」
「…あぁぁっ…イ…ア…ンっ…イっ…くぅ…」
「私もっ…」
イアンの大きな体が涼の上に覆いかぶさって、はっきり言って重いけどこうやって側にいてくれるだけでいい。
「すみません涼さん、重かったですね。涼…さん?」
急いで体を離そうとしたが、涼がそれを拒む。
「どこにも行かないで」
「涼さん…どこにもいきません」
「ほんと?」
「ええ、本当です。私には、もう行くところがないんですから」
ずっと涼の中に入っているわけにもいかず、イアンは額や鼻のてっぺんにキスをおとすと名残惜しむように出て行く。
「今度、秀吉の会社を手伝うことにしました」
「え?」
「秀吉に誘われたんです。私も選り好みしている場合ではありませんから」
「そう…」
そうしたら、イアンはここを出て行ってしまうのね…。
「ですから、一緒に暮らしませんか?」
「一緒にって?」
「涼さんと私の二人っきりで、そんなに大きな家は用意できませんけど」
黙り込んでしまった涼をイアンは不安そうに覗き込む…。
「イアンっ!」
「涼っさん、どうしたんですかっ」
急に首に抱きついてきた涼に、イアンはどうしていいかわからない。
「嬉しいっ、イアンと二人っきりで住めるの?」
「そうですよ」
こんなに喜んでもらえるとは思ってもみなかった。
これから新しい二人の生活が始まる―――。
『ったく、隣でイチャつかないでよっ!』な〜んて凛の声が、幸せな彼らに聞こえるはずもない。
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