今、私は秀ちゃんのお部屋にいます。
初めてじゃないけど、本当に久しぶりにくる秀ちゃんのお部屋。
黒と白でまとめられたシックなお部屋。
お隣に住んでいるのになかなか入ることのなかった秀ちゃんのお部屋。
すごく秀ちゃんらしいお部屋だと思う。
付き合いはじめてからは初めてくるかも・・・。
そりゃそうよね、中学生の頃に来たっきりなんだもん。
実は前々から来たかった秀ちゃんのお部屋。
でも、わがままは言えないよね。
だって秀ちゃんは大人でお仕事をしているから。
私は暇な学生でもお仕事をしている秀ちゃん忙しいんだもん。
でも、今日は堂々と秀ちゃんのお部屋にいます。
それは何故か。
簡単なことなの。
約束していた時間になってもなかなか出てこないから、
裕子さん(あっ秀ちゃんのお母さんね)に言って通してもらったの。
でもね、通してもらったまではよかったの。
彼女として初めて秀ちゃんの部屋に入って、
その上、目の前には寝ている秀ちゃん。
いざ入ってしまうとドキドキして・・・。
私の心臓は壊れそうですよ。
あっ、そういえば私初めてみるかも秀ちゃんの寝顔。
寝ているのに綺麗な顔してる。
初めて見る秀ちゃんの寝顔に私のドキドキはどんどん加速しています。
もう、本当に壊れそうです。
前から約束していた今日のデート。
昨日の夜、秀ちゃんからメールが届いたの。
そこには明日の出発時間が書いてあって、
要するにその時間に外に出て待っていろってコトだと思う。
そしてその時間に門の所に立って秀ちゃんが家から出てくるのを待っていたんだけど。
なかなか出てこない秀ちゃんに痺れを切らして今にいたるのです。
私が入ってきているのにも気づかずに眠っている秀ちゃん。
ここ最近忙しかったらしくて帰りもいつも遅かった。
なのに私とデートの約束をしてくれたの。
本当に優しい秀ちゃん。だけど、無理はして欲しくなんだよ私。
暫く秀ちゃんの寝顔を見つめていた。
本当に気持ちよさそうに眠る秀ちゃんを起こすのは可愛そうだから、
私は秀ちゃんのベットにもたれるように座って本を読むコトにした。
実は私、本を読むのが好きなの。
コレも秀ちゃんの影響なんだけどね。
秀ちゃんが昔本を読んでいるのを見て、
秀ちゃんが読んでいた本を読んだことから私の本好きは始まったの。
私の後ろで寝息を立てて眠っている秀ちゃん。
こんなに疲れているのに私に会ってくれようとしていた。
その気持ちだけ私十分だよ。
それに、こういう過ごし方も私好きだな。
「う〜ん・・・。沙紀ぃ?」
私が本を読みはじめて30分ぐらいした頃、
秀ちゃんが寝ぼけた声で私を呼んだ。
「秀ちゃん。起きたの?」
その声に振り向くと秀ちゃんがベットに横になりながら私を見ていた。
「おはよう、秀ちゃん。」
「おはよう。ってか今何時ぃ?」
「へっ、今?11時くらいだけど?」
私は腕時計を見て秀ちゃんに時間を言った。
なんか、寝ぼけてる秀ちゃん可愛いかも。
そう思ったのは私だけの秘密ね。
「えっ、11時ぃ!?」
ガバッとベットから飛び起きる秀ちゃん。
こういうのを飛び起きるって言うんだ!ってくらい見事な起き方。
「うん。そうだけど?」
「何時から沙紀はそこにいるんだ?何で起こさなかった?」
飛び起きた秀ちゃんに急に質問攻めです。
何でそこまで必死なのか、凄く不思議です。
「待ち合わせの時間ぐらいだから・・・9時くらいからかな?
お部屋に来てみたら気持ちよさそうに秀ちゃんが寝てたから、疲れてるのかなぁと思って。
ごめんなさい・・・。」
真剣な秀ちゃんの目を見て、シュンとしてしまう。
私が良かれと思ってしたことなのに、
秀ちゃんは少し違うみたいなんだもん。
「いや、別に怒っているわけじゃなくて。
ただ、めったに一日一緒に居ることが出来ないから、
ずっと一緒にいられる日くらいって思ってただけだよ。」
そういつもの優しい笑顔で答えてくれる。
私が起こさなかったことに怒っているのだと思っていたから、
こんなに嬉しいことを言われると思っていなかった。
秀ちゃんはいつも不意に私に幸せな気持ちをくれる。
私は秀ちゃんに何かをあげることができているの?
いつも私がもらうみたいに私も秀ちゃんに何かをあげたいって思う。
「ねぇ秀ちゃん。今日はこのままゆっくりしよう?」
私は秀ちゃんに提案をした。
たまにはゆっくりお部屋で過ごすのもいいかな?と思って。
秀ちゃんも疲れているみたいだし。
「沙紀はそれでいいのか?」
「うん。私秀ちゃんと一緒に居られるなら何処でもいいもん。」
私、秀ちゃんと一緒いられるのならそれだけで幸せだもん。
秀ちゃんの方を見て笑顔を見せる。
「沙紀、そういうことは簡単に言うもんじゃないぞ。
ましてや男の部屋で。」
秀ちゃんはそういうと私を引き寄せて抱きしめた。
そんな事を言う割には凄く嬉しそうな顔をしている。
秀ちゃんが嬉しいって思ってくれるのなら単純に私も嬉しいって思う。
秀ちゃんは言っている意味はよく分からないけど、
私嘘は言ってないんだけどなぁ。
だって本当にそう思うんだもん。
秀ちゃんの腕の中は温かくて、
とっても心地いい。
そして見上げた先には優しい笑顔。
秀ちゃんの顔が近づいてきて、
そっと私にキスをした。
秀ちゃんとのキスが大好き。
二人の気持ちが溶け合う感じがしてすごく幸せ。
秀ちゃん、大好きだよ。
そして、さっき秀ちゃんが言った
言葉の意味が分かるのはもう少し先のお話・・・。
- fin -
☆1ヶ月記念☆
当サイト、1ヶ月を無事に迎えることが出来ました。
そこで、先日に引き続きフリー小説の第二段です!!
少しでも多くの方に読んでいただきたいと思っています。
ですので1ヶ月記念に便乗してフリー配布のお話と言う形にしております。
是非、コピーしてお持ち帰りくださいませ☆
今回は『dream of dreams』の二人です。
ちょっと意味深な終わりにしてみました☆
如何ですか?皆様好きなように想像してやって下さいませ。笑
(まぁ、考えられることは限られてきますが・・・汗)
まぁ、こちらも憎い程仲良しで・・・。
本当に羨ましいぞ〜!!笑
もう、好きにやってくれ!!って感じですね。(投げやり)
でも、この二人を私も愛していますからそんなことはしませんが。。。
しかし、今後二人はどうなって行くのでしょうか?
気になるところですね〜☆笑
では、またこの二人に会えるの楽しみにして・・・。
mayu
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Mayu さま
サイト開設1ヵ月、おめでとうございます。
フリー小説とのことで、第二弾も早速お持ち帰りさせていただきました。
秀ちゃんが沙紀ちゃんに言った意味を知ったお話が、早く読みたいです。
2006.10.31 朝比奈じゅん
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