First Love 〜はじめてのこい〜
彼のために
タララ〜 タララ〜
彼専用の着メロが私の部屋に響く。
毎晩恒例の メールの交換。
先輩と付き合いはじめてから、
私の携帯からはこの彼専用の曲しか流れ ないのではないか
というぐらいこの曲が流れている。
今日あったことや今していること など内容は何でもいいの。
先輩とメールをしている時間が大切なのには変わりないから。
でも、やっぱり先輩と会ってお話している時間が一番好き。
先輩の声を先輩の笑顔を見 ながら聞けるんだもん。
今日のメールの内容は明日のデートの約束。
明日公開の映画を 観に行く約束をしていたけど、
待ち合わせ時間とか場所とか決めていなかったから。
明 日は久しぶりのデート。
先輩のバイトとか受験勉強とかで忙しくてデートらしいデートは最近し ていなかったから。
明日がデートだと思うだけで、先輩に会えると思うだけで、
信じら れないくらいの速さでドキドキする。
先輩と付き合うのが私にとってはじめてのお付き合い 。
だから全部先輩が初めてで。
いろいろと戸惑う事もたくさんある。
でも、その戸 惑いすら私にとってはとっても大切なこと。
そんな大切だと思える気持ちを教えてくれた先輩に 感謝だよ。
私、先輩と出逢えて先輩を好きになれてよかった。
だって私、今凄く幸せだもん 。
『琉莉。明日はいつものところで11時でいいか?』
先輩からのメールは短いけ れど、
いつも私の名前が入っていて先輩に名前を呼ばれている気持ちになれる。
『はい っ☆明日の11時にいつものところで。
久しぶりに先輩に会えるよ〜(≧▽≦)今から凄く楽しみ にデス☆』
先輩から届いたメールに返事を返す。
今の私のドキドキが少しでも伝われば いいのにと思って、
一文字一文字気持ちを込めてボタンを押して文にしていく。
先輩は 私に会うの楽しみにしていてくれていますか?
私は早く先輩に会いたいです。
寝てしま ったら早く朝が来る気がするけれど、
メールを自分から終わらせてしまうのは嫌で・・・。
それでも次に先輩から届いたメールに、
少し悲しい気持ちと先輩の優しさが伝わってき て。
やっぱり先輩の事大好きんだなぁって思ってしまう。
『俺も明日楽しみだよ。早く 琉莉に会いたい。
でも、今このメールを続けて明日会うのが遅れてしまうかもしれないよりも、
明日1秒でも早く琉莉に会いたいから今日はもう寝るよ。』
『先輩、おやすみなさい。
素敵な夢を見てください☆彡』
先輩も会いたいと思ってくれていたことが嬉しい。
明日のデートを楽しみだと思ってくれていたのも嬉しい。
もう一度今日最後のメールを読み 返してから携帯を閉じる。
「おやすみなさい」
心で先輩に言ってから目を閉じた。
○ ● ○ ● ○ ● ○ ●
朝、目が覚めてカーテンを開ける。
デート日和のいい天気。
天気も久しぶりのデートを楽しんでおいでって言ってくれているみたい で嬉しくなる。
先輩との待ち合わせ場所へは約30分。
今の時間でも余裕を持って用意 することが出来る。
久しぶりに会うんだもん、見ない間に可愛くなったって思われたいじゃない ?
それが乙女心ってやつでしょ。
シャワーを浴びて、メイクをする。
普段はメイク はしないけど、デートは特別でしょ。やっぱり。
そして、今日の服。
これまた普段はは かないスカートなんかりはいてみる。
このスカートはこの間、真美とお買い物に言った時に一 目ぼれしてしまったスカート。
真美にも店員さんにも薦められついつい買ってしまったミニスカ ート。
その上にちょっと胸元の開いたキャミソールを着て上にカーディガンを羽織る。
鏡を見るといつもとは違う自分がそこにはいる。
そう、今日の私はいつもの私とは一味も二味も (!?)違うんだぞ!!
先輩、今日の格好可愛いって言ってくれるかな?
気に入ってくれると いいなぁ、可愛いって思ってくれるだけでも十分だけど。
やっぱり女の子が可愛くなるのっ て好きな人のためだと思うの。
好きな人には少しでも可愛いって思われたいし、気に止めて欲し いもん。
色々と準備をしていると時間というものはあっというまに過ぎてしまう。
もう 家を出ないと間に合わない時間になっていた。
急いで来たからなのか、いつもならいる はず先輩の姿はまだ無くて、
今日は私が先に来れたのが少し嬉しかった。
だって、いつも先 輩が先に来ていて待たせている感があったから。
先輩が来るの待っている。
はきなれな いスカート。しかもミニ。
なぜか周りの視線がこっちに向いているのは気のせいなのか・・・。
馴れないものを着たりすると、そうじゃなくても見られている気になるからすごく不思議な 感じ。
「琉莉?」
下を向いていた私に先輩の声が聞こえる。
大好きな人の大好 きな声。
自然と顔が緩んでしまうのが分かる。
「先輩っ。おはようございます。」
久しぶりに会う先輩。
久しぶりと言うこともあるのか、凄くドキドキしていて上手く喋 れない。
なのに、先輩は私の名前を読んだまま固まってしまっていた。
先輩の目は私を 見ているような見ていないような。
私、へんな格好しているのかな?とかこういう格好は好きじ ゃないのかな?とか
どんどんマイナスな考えが私の頭の中を廻る。
「先輩・・・私の格好 変ですか?」
先輩の顔を覗き込む。
先輩が一瞬驚いた顔をしてそのあと私の大好きなあ の笑顔を見せてくた。
「いや、違うんだ。とっても可愛いと思うよ。」
「嬉しい。 このスカートこの間買ったんですよ。」
真美と買いに行ったスカートを見せながら先輩に言う。
「そうなんだ。今日の服可愛いね。超俺好み。」
そう笑って言ってくれる先輩 。
私、その笑顔大好きなんですよ。
先輩のために頑張ってよかったなぁって思う瞬間なんで すよ。
「でもね、琉莉。」
少し間をおいた後に私の名前を読んだ。
「なん ですか?」
「ミニスカートとかキャミソールとか禁止。」
「へぇ?」
先輩 の口から出てきた言葉に私はつい間抜けな返事をしてしまった。
「へぇ?じゃない。今日、 ここで待ってる琉莉の格好を見て驚いたよ。
そりゃ、正直嬉しい格好だけど。でもダメ。」
「何でですか?」
先輩の意味の分からない言葉に私の頭はクエスチョンマークで一 杯です。
先輩のために綺麗になりたいとか可愛くなりたいと思っちゃいけないの?
でも、や っぱり好きな人には綺麗な自分や可愛い自分を見ていてもらいたいよ、私。
「そ、ソレ は・・・」
「それは?」
言葉を濁そうとする先輩。
何か隠しているとか・・・そうい うのじゃないですよね?
本当はもう一人彼女がいて、その子がこういう格好をしているとか・・・ 。
今の私は素敵な発想が出来るみたい。
なんか色々なコトが私の頭を廻ってますよ。
「・・・俺が心配だから。」
ボソッとつぶやくように小さい声で先輩は言った。
恥 ずかしそうに、確かにそう言った。
「えっ」
頭がフリーズしそうです。
心配だ からって・・・もしかして、もしかしますか?
「だから、心配だからそういう格好は禁止。
ただし俺の前でのみ許す。」
少し恥ずかしそうにそう言う先輩。
こういう先輩は凄 く可愛いなぁって思う。
でも今はそれ以上に嬉しい。
だって心配してるってことは大切 に思っているってコトだよね?
先輩にそんなこと言われちゃったら、
守るしかないじゃ ない。
だって可愛いって思ってもらいたい人がいるから、
お洒落するんだもん。
そ の人に心配されてまでするのはお洒落じゃないと思うから。
「はいっ。」
先輩の腕 に抱きついて先輩を見上げる。
先輩のために内面から本当に綺麗な人になる。
だからもう少 し待っててね。
- fin -
☆1ヶ月記念☆
当サイト、1ヶ月を無事に迎えることが出来ました。
つたないお 話ではありますが、皆様の心が少しでもほっとしていただけるような
温かい恋愛のお話をこれか も書いてゆけたらと思っています。
少しでも多くの方に読んでいただきたいと思っています 。
そこで今回の1ヶ月記念に便乗してフリー配布のお話にしました。
コピーしてお持ち帰り くださいませ☆
こんなつたないお話ですのでなさる方はいないとは思いますが、
一応・・・著 作権は放棄しておりませんので自作発言は止めて下さいませ。
mayu
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Mayu さま
サイト開設1ヵ月、おめでとうございます。
フリー小説とのことで、早速お持ち帰りさせていただきました。
これからも、可愛らしいお話が読めるのを楽しみにしています。
2006.10.29 朝比奈じゅん
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