「彼女なら大丈夫ね。だって、あれじゃ女として見られないもの」
こんな屈辱的な言葉を聞くのはもう慣れっこになっていたはずなのに、心の片隅ではやはり女として認めてもらいたいと叫んでいる自分がいるのも確か。
彼女たちの言う通り、今度の上司である彼が自分に魅力を感じることは例え天と地が引っくり返るようなことが起きたとしても絶対にあり得ないだろう。
それを承知でここへ来たのだと言い聞かせ、キャシーはいつもの鉄の鎧を纏い、言葉という名の凶器を跳ね返すように背筋をピンと伸ばすと目の前の大きなドアをノックした。
いつかは国をも動かすような会社で仕事をしたいと思っていたが、いざ自分がそこへ足を踏み入れるとなると足がすくんで全身に震えが走る。
「本日から秘書を務めます。キャシー・エリスです」
緊張で声が上ずってしまわないか心配だったが、そんなことはどうでもいいことのように思えてしまうほど、目の前にいる男性は巨大グループ企業のトップを仕切るにはあまりにも若くて魅力的だ。
前任者が仕事よりも色仕掛けでCEOを誘惑することに夢中になった気持ちもわからなくもないが、自身には全く関係のない話しだし、キャリアを積んでやっと手に入れた今の地位をそんな生半可な気持ちで揺るがすことも失いたくもなかった。
「やぁ、キャシー。首を長くして君のことを待っていたんだ。これから、よろしく頼むよ」
立ち上がった彼の背の高さはゆうに180cmは超えているだろう、柔らかそうなブロンドの髪にスリムなスーツは鍛え上げられた身体ではち切れんばかり。
威圧感すら感じさせられたが、意外なことに物腰は至って柔らかい。
握手を交わす手が男性らしさを意識させて、キャシーの胸は訳もなく鼓動を速めた。
「ミスター・ブラウン。こちらこそ、よろしくお願いします」
「堅苦しい呼び方はなしだ。僕のことはケビンと呼んで欲しい。ところでキャシー、今までのことは聞いていると思うけど」
「少なくとも、私に限ってはそのようなことは起こらないと断言します。期待を裏切らない結果を出すことが私の使命ですから」
「そう言ってもらえるとありがたいね。君を信じていないわけじゃないんだ。経歴も素晴らしいものを持っているし、秘書という枠に留まらず、重要な会議にも出席して欲しいのと君なりの意見も聞かせてもらうことになるんでね」
CEOは、私にそこまでさせてくれるというの?
願ってもないチャンスだとキャシーは思ったが、四六時中この男性(ひと)と一緒にいても平常心を保てるだろうか…。
別の不安が頭を過る。
「ご期待に副えるよう、誠心誠意尽くさせていただきますが」
「が?」
妙に引っかかる言い方だが、他に何か問題があるのだろうか。
「私は仕事をしに来たのであって、CEOの女性問題に巻き込まれるのだけは」
「え…」
「勘弁していただきたいですね」意見をはっきり言う女性だと聞いているし、実際会ってみてそうだと確信したが、よりによって女性問題に釘を刺されるとは思っていなかった。
彼女とはいい関係が築けると期待していたのにこれでは先が思いやられる。
「弁解はしない主義だが、僕の名誉のために言っておくよ。誓っても僕が手当たり次第に女性にちょっかいを出しているわけじゃない」
「それはそうでしょう。私のような女には間違ってもそんなことはなさらないでしょうね」
「いや、それは違うよ」
「だから、選ばれたのではないんですか?」
ケビンには返す言葉がなかった。
確かに女を武器にすることなく仕事以外のことに目を向けない女性をと探したのは事実だから否定はしない。
黒に近いブラウンの髪を今時、珍しいくらいにしっかりと頭の少し後ろでお団子にまとめ、ほとんどしていないと言っていいほどの薄化粧に身体の線を覆い隠すような膝下丈のタイトスカートのスーツ。
しかし、キャシーには別の意味で男を惑わす何かを持っているように思うのは彼だけではないだろう。
あの鎧を取り払ったら、彼女はどんなふうに変わるのか。
おっと、いかん!!
たった今、釘を刺されたばかりなのに。
「君は仕事の上で僕のパートナーとして相応しいと判断したから来てもらったのであって、他に何があるっていうんだい」
仕事の上でのパートナーという最もな言葉がとても寂しいものに聞こえるが、彼の本心を表しているのは間違いない。
「わかっています」
「わかってもらえて嬉しいよ。で、君の今夜の予定は?」
「え?予定ですか」
家に帰ってもやる事といえば、スキルアップするための勉強だけ。
そんなことを言ったら、仕事以外に趣味も何もないつまらない人間だと思われてしまう。
実際そうであれ、はぐらかしてもバチは当たらないはず。
「何か予定があるのかい?もしかして、デートとか」
「プライベートな件についての質問には答えたくありません」
「上司とのディナーの時間は取れそうにないってことかな」
「え」
彼は私を食事に誘おうとしているの?
社交辞令だとわかっていても、そんなことをされてははかない夢を見てしまいそうだ。
そして、最後には現実を突き付けられることになる。
「あなたは、私を食事に誘おうと思っているんですか?」
「いけないことかい」
「どの秘書にも同じことをしてきたんですか?」
「いや、そういうわけじゃない」
「だったら、なぜ私を?たった今、女性問題に巻き込まれるのだけは勘弁していただきたいと言ったばかりじゃないですか」
「君とだったら、きっと楽しい時間を過ごせると思ってね。それに君となら女性問題には発展しないよ」
しまった…。
一瞬、彼女が悲しい目をしたのをケビンは見逃さなかったが、決して女性として見ていないという意味で言ったのではないと否定したところで結果そう取られても仕方ない言い方をしたのは確かで、自分でもどうして彼女を食事に誘っているのか明確な理由は言えそうになかったのも事実だ。
上司と部下とはいえ個人的に誘うことは絶対しなかったし、それなのに今は本能がそうしろと訴えていたのだから。
「CEOがそういうことだから、女性が勘違いするんです」
「君も勘違いしたってことかな」
「は?私が勘違いなんてするわけ」
「わけ?」
この人と話していると調子が狂ってしまう。
硬い鎧をふとした弾みで外してしまいそうになるのだ。
こういう話をするはずではなかったのに、どこかでずれてしまった軌道を元に戻さなければ。
「勘違いするわけないと言いたかったんです。CEOもこんなくだらない話に時間を割いている場合ではないでしょう。私も引継ぎを早く済ませたいので、これで失礼します」
パタンとドアの閉まる音。
ケビンは彼女が出て行く姿をずっと見つめていたが、綺麗な脚をなぜ隠す必要があるのだろうか。
女性にこれはど関心をいただいたのは久し振りだなと苦笑するしかなかった。
「ところでキャシー、いつになったら僕とディナーを共にしてくれるんだい?」
おはようの挨拶よりも秘書を食事に誘う方が先だとは、この人はどうかしているとしか思えない。
「おはようございます。CEO」
「ケビンだ」
「あなたは一体、何のために私を雇い入れたのですか?」
いくら上司の命令でも、彼の要求を無視したのはケビンと呼んでしまえば関係が一気に予期せぬ方向へ流れてしまいそうだったから。
「主旨を忘れ、私を誘惑してどうするんですか」
「もちろん、完璧な僕のパートナーだけど、別に君を誘惑しているつもりはないんだが」
彼は食事をしたいと言っているだけで、それ以上の他意はないと言いたいのだろう。
一大帝国を築き上げたグループ企業のトップでモデル以上に魅力的な男性が自分みたいな女を誘惑するはずがないのに。
自意識過剰だったことに気付き、急に羞恥心に苛まれたキャシーは頬をピンク色に染めたが、初出勤したその日に言われた『君となら女性問題には発展しないよ』という彼の言葉を思い出し、胸の奥がチクチクと痛むのを感じた。
「わかりました。明晩なら、ちょうど空いてます」
強がって見せても、所詮悪足掻きだってことはわかっている。
わかっていても、いかんせんキャシーの自尊心がそうしてしまうのだからどうしようもない。
「ありがとう、やっとOKしてくれたね。君を誘うのは、僕が今まで成し遂げたどんな交渉よりも困難を極めたよ」
そんな笑顔は反則だ。
まるで、この日を待ち望んでいたみたいに。
次の日の朝、キャシーはいつもより1時間も早く目覚めた。
というより、ウトウトとしては彼と一緒に食事をしている自分を想像してしまい、正直に打ち明ければほとんど眠れなかったということだ。
「こんな顔で行ったら絶対、何か突っ込まれるに決まってる」
鏡に映った自分の顔の目の下にくっきりできたクマをひとさし指でなぞっては、ため息を吐いた。
この顔を嫌いだと思ったことはなかったが、もう少し美人に生んでくれればと今朝ほど親を恨んだことはないだろう。
そんなことを今更グチグチ言ってもどうしようもないことと言い聞かせ、逸る気持ちを抑えながらキャシーはいつもと変わらない髪型と服装に身を包むと家を出た。
「おはようございます。ケビン」
「おはよう。今日も一日、よろしく頼むよ」
始業前だというのに一日のスケジュールに目を通し、会議で使う書類も揃え終えたであろうキャシーに敬意を込めて声を掛けるケビン。
やっと名前を呼んでくれたことにこの上ない喜びを感じつつも、相変わらずの鎧を纏った彼女を見て多少なりとも落胆を覚えたのは自分のことを男として意識していないという無言の意思表示。
食事に誘ってOKをもらうまでに3ヵ月も掛かったというのに。
ここまで交渉を長引かせた女性は後にも先にもキャシー以外いないのだがら、我ながらよく頑張ったと自分で自分を褒めてあげたい反面、なぜ彼女に執着してしまうのか。
それは、あの鎧を取り払ってみたいという好奇心もあったが、彼自身の力で女性としてとても魅力的なのだということを伝えたかったからだ。
誘惑しているつもりはないなどとはとんでもない。
彼女を傷付けるような言い方をしてしまったのは警戒心を解くための口実と本心を悟られたくなかったからで、言葉とは裏腹にティーンエイジャーのように必死だったなんてどうして、言えるはずがないだろう。
「もう一度、ケビンと呼んでくれないか?」
「意味もなく呼びません」
パソコンのディスプレイを覗き込んで仕事をするフリをするキャシー。
さっきだって勇気を振り絞って名前を呼んだのだ、面と向かってなど言えるはずがない。
「つれないなぁ」ワザと肩を落としたりして大げさなんだからと思ったが、あのケビン・ブラウンたる人が私に名前を呼ばれたことがそんなに嬉しかったなんて。
彼を好きにならない人がいるなら今すぐここに連れてきて欲しいとさえ思えてしまうほど、誰をも魅了する目の前の男性に心惹かれずにはいられなかった。
公私をしっかり区別する彼はきっちり定時で仕事を切り上げると、待ってましたとばかりにキャシーをオフィスから連れ出した。
こんなところを誰かに見られたら、そんな心配をすることなくCEOの部屋からは直通のエレベーターで地下駐車場まで行ける作りになっていたのはありがたい。
一際目立つ、ピカピカに磨かれた高級外車の助手席のドアを開けてキャシーが乗り込むのを紳士的に待つ彼の隣にいる自分があまりにも惨めで申し訳なく思えて嬉しさよりも暗い気持ちになった。
運転席に回ってエンジンを掛けたケビンがそれに気付かないはずがない。
「どうしたんだい?」
優しく気遣いされるのは慣れていない。
覗き込むような彼の視線に思わず目を逸らす。
「気が乗らないみたいだね」
無理矢理誘ったのが良くなかったのだろうか。
「そんなことは」
「だったら、もう少し楽しそうにしてくれないか?」
「無理です」
「キャシー。君は僕の胸にナイフを突き付けるような答えばかりするね」
ケビンは静かに車を走らせる。
「ごめんなさい。そういうつもりではないんです」彼女はそう謝罪するしかなかったが、彼の言うようにできたらどんなに気が楽だろう。
ただ、そうしてしまったら今まで築き上げてきたものが跡形もなく崩れ去ってしまうような気がして怖かったのだ。
自分は彼の取り巻きとは違うのだと線を引かなければ、今までのキャリアも全てをも失ってしまう。
「はっきり言うところが君らしくて僕は好きだけど」
好きと言ったのはキャシーが思ったのとは意味が違うに決まっているが、どんな意味であれ嬉しくないはずがない。
「CEOにお褒めいただけて光栄ですわ」
また、CEOか。
ケビンと呼んでくれたのは今朝の1回きりだ。
プライベートな時間までこんな呼び方をされるのは御免だが、それを言って彼女の機嫌を損ねるのはもっと耐えられない。
いつから、こんなへなちょこに成り下がってしまったのだろうか、それは彼女が自分の前に現れた日からだと認めざるを得ないことはもうとっくの昔にわかっていたことなのに。
二人のように金曜日の夜を過ごそうと考えている人達が多いせいか、道路はいつもより混んでいたが、30分ほど通りを走らせると目的地に到着した。
そこは、キャシーのような普通の人間が予約すれば2ヶ月3ヶ月待ちは当たり前と言われている人気のレストランである。
こんな店を昨日の今日で予約できてしまうなんて、さすがケビン・ブラウンだと関心どころかまざまざと力を見せ付けられたが、そんなことよりこんな服装で来てしまった自分をどう恥じたらいいのだろう。
「ケビン、あの…このようなすごいお店に私のような者が来るのはものすごく場違いで。言って下されば、もう少しなんとかマシな服装を」
「あぁ、ケビンと呼んでくれて嬉しいよ」
私はこれほど悩んでいるというのに彼の関心は名前で呼ばれることなの?
「さぁ、気にすることはない。君は完璧だ」キャシーのそんな不安を他所に彼は背中に手を添えると入口に立ってドアを開けてくれたドアマンに会釈して店内に入る。
なんて馬鹿なことをしてしまったのっ!!
みすみす恥じをさらすような誘いに乗ってしまうなんて…。
尻尾を巻いて逃げ帰れればどんなにいいだろう、しかし後悔してももう遅い。
席に案内されるまでの道のりは既に来ていた客達の突き刺さるような視線に耐えながら、まるで処刑台に上る囚人の気分だった。
「僕は車の運転があるからアルコールは飲めないけど、君は遠慮しないで頼むのといい。料理に好き嫌いはなかったかい?」
彼は周囲の目が全く気にならないのだろうか?
これだけ好奇の目にさらされて平気でいられる人間なんて、それとも彼は私のことを気遣ってそうしているというの?
「えぇ、好き嫌いはありません。せっかくなのでワインをいただいてもいいですか?」
お酒でも入れなければ、この場を耐えしのぐことなんて今のキャシーには無理だ。
「もちろん」彼はソムリエを呼び寄せると彼女の好みに合うワインをそしてギャルソンにはシェフ自慢の料理を注文した。
店内はシックで落ち着いていたが、そこは最高の客をもてなす空間であることには変わりない。
華やかな衣装に身を包んだ紳士淑女にこそ相応しい場所であって、益々自分がみすぼらしく惨めに思えたが、世間に顔を知られている彼の方がもっと立場は悪いはずなのに。
「僕は、君にそんな顔をさせるために連れて来たわけじゃないんだよ」
そういう彼の表情は複雑で、キャシーは余計に心苦しくなった。
「ごめんなさい」
キャシーには謝罪するより言葉が見つからなかったがゲンキンな話、今まで飲んだこともないような素晴らしい香りのワインや芸術的な料理のおかげで一気に場は和やかなものに変わっていった。
この3ヶ月というもの彼女は本当によくやってくれていたし、ケビンにとってなくてはならない存在になっていたのも確かだが、たった一度きりのそれも顔すら合わせていないのにこの笑顔が作れるシェフに嫉妬を覚えずにはいられい。
「シェフがお二人にご挨拶したいと申しておりますが、いかがでしょうか」
なんというタイミングなのか、ケビンにとって一番会いたくない、相手と対面しなければならないとは。
「是非、お願いします。こんな素晴らしいお料理を作れるシェフに会えるなんてっ!!」
彼女はまるで、恋焦がれた男性との対面が叶ったとでもいうように瞳をきらきらと輝かせていた。
まったくもって気に入らない。
ケビンは不機嫌になる一方だった。
そして彼にとって更に運が悪いことに、この店のオーナーシェフはテレビにもよく出演している、いわゆるイケメンと称される部類に入る若くてハンサムな男だったということ。
唯一救われたのは彼女が彼の顔ではなく料理に興味があったということだが、自分の前では見せたこともない笑顔に不機嫌度は増すばかり。
さすがに殺気に気付いたのか、シェフはキャシーの耳元で囁くように「恋人が不機嫌なので、そろそろ退散しますよ。パティシエが腕によりをかけた最高のデザートも用意していますから、最後まで楽しんで行って下さい」と言い残してそそくさとその場を立ち去って行った。
「シェフたる者が、厨房を離れて客とくっちゃべってる場合じゃないだろう」
一体、どうしたというのだろうか?
いつも温和な彼がこんなに苛立っているなんて。
それより、CEOは恋人じゃないからっ。
「君も君だ。イケメンだかなんだか知らんが、鼻の下をデレっと伸ばして」
「はっ?いつ、誰が鼻の下を伸ばしたんですかっ。CEOこそ失礼ですよ。あんな素晴らしいお料理を作る人に向かってそんな言い方は」
最初こそ気まずかったが、せっかくいいムードだったのにこれで何もかもがぶち壊しだ。
「君はあいつの肩を持つのか。挨拶なんて名ばかりのただ君に興味があって出てきただけなのに。それに何度言ったらわかるんだ。僕のことはケビンと呼ぶように言っただろう」
自分でも子供じみているとわかっているのだが、どうしてか彼女の前では理性を失ってしまうのだ。
「そんなことないですよ。シェフは私達がお料理を全部平らげてくれたのが嬉しくてと言ってました。どんなに有名なお店でも、女性はダイエットを気にして残されるって」
「やっぱり、君と話すための口実じゃないか。これくらい男なら残らず食べるさ」
「CEOが、そんな了見の狭い人だとは思いませんでした」
「あのなぁ」
「デザートです」ギャルソンがテーブルの上に置いた皿は、二人が言い争っていることがなんて無意味なことなのだろうと思わせるほど魅惑的で一瞬にして心奪われた。
「取り敢えず、食べましょう。喧嘩はその後でゆっくり」
何が喧嘩はその後でゆっくりだとケビンは思ったが、彼女の顔を見てしまったら従う他なさそうだ。
甘いものを口にすると幸せな気分になるというのは、あながち嘘でもないらしい。
ここは優秀なパティシエを持っているシェフに免じて和解することにしよう。
※ このお話はフィクションです。実在の人物・団体とは、一切関係ありません。作品内容への批判・苦情・意見等は、ご遠慮下さい。
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