ASPHALT☆LADY
BEST FRIENDS
2/E

R-18




憂は遼哉のことが気になって、まだ帰宅していなかった遼哉の家にもらっていた合鍵で入る。
いつ来てもいいからとは言われていたが、黙って来るのは今回が初めて。
遼哉の反応が気になるが、取り敢えず夕食を作って待つことにする。

ちょうど出来上がった頃にドアの開く音がした。

「お帰りなさい」
「えっ、憂…。来てたのか?」

まさか、憂が来ていると思わなかった遼哉は驚いた顔でその場に立ち尽くす。

「ごめんね、勝手に来ちゃって」
「ううん、いいんだ。そのために鍵を渡していたんだから」

いつもと変わらない遼哉にホッとした憂。
食事はまだだと言うので一緒に取ることにする。
ラフな格好に着替えた彼はスーツ姿とはまた違う魅力があって、つい見惚れてしまう。

「なぁ、憂」
「うん?」
「あのさ…」

何かとても言いにくそうな彼に、憂の中に不安が過ぎる。
―――やっぱり、何かあったのかな…。

「俺に隠していることはないのか?」
「え?」

―――隠してるって、何よ。
それは、こっちの台詞なんじゃないの?

「どうして、そんなことを聞くの?」
「いや…別に」
「別にって、あたしは遼哉に隠すことなんて何もないわよ?」
「俺にも言えないことなんだ」
「ねぇ、さっきから言ってる意味がわからないんだけど」

遼哉の煮え切らない言い方に痺れを切らした憂は、キッチンからソファーに座っていた彼の前まで来ると腰に手をあてて仁王立ちになる。

「俺に隠していることがあるはずなのに言わないから」
「隠してることって、それはこっちが聞きたいわよ!なんだか知らないけど、まるであたしが悪者みたいな言い方してっ。遼哉こそ、あたしに言えないことがあるくせに!!」

こんなふうに怒るはずじゃなかったけれど、短気な憂はつい大声を出してしまった。
―――だって、遼哉が変なことばかり言うからっ。

「なんだよ言えないことって。俺はいつだって全部話してるだろ」
「嘘。用事があるから会えないって、何で?って聞いても言ってくれなかったじゃないっ。それは心のどこかに疚しい(やましい)ことがあるからでしょ」
「じゃあ、疚しいことが何もないっていう、憂に聞くけど。中本に会ったこと、どうして俺に黙ってた」
「えっ、どうして…」
「電車から、途中の駅で楽しそうに話している憂と中本を見たんだよ」

その日、出張だった遼哉は帰る途中の電車から、途中駅のホームで憂と真が楽しそうに話しているのを見たのだ。
恐らく、憂と真が食事を終えて帰るところだったのだと思う。
二人は一応顔見知りだし、途中で会って話をしていたとしても構わない。
それは、後で憂が話してくれると思っていたからだった。
なのに…黙っている憂に腹が立った遼哉は、あんな嘘をついてしまった。

「俺は、中本に会ったことをどうこう言うつもりはない。でも、どうして言ってくれないんだ」

憂の脳裏にあの時の真との会話が浮かぶ。

『今日のことは遼哉には内緒な。知ったらあいつ、何するかわからないから』
『中本さんと私の秘密ですね』
『そう、秘密』
『秘密ですかぁ。何かスリルがあって、いいかも』

ほんの軽い気持ちだった。
それを見られていたとは…。

憂は、黙って遼哉の隣に腰を下ろす。
お互い誤解して、付き合う前みたいなことになったら嫌だから。

「ごめんね、黙ってるつもりじゃなかったの。あの日、バッタリ電車の中で中本さんに会って『食事でもどう?』って誘われて…。中本さんは遼哉の親友だし、信じてたから。遼哉の高校生の頃の話とか聞いてね」
「えっ…あいつ、しゃべったのか?」
「うん」
「あ〜」

ソファーの背にぐったりと頭を預けて、天井を見上げる遼哉。
『余計なことを…』と思ってみても、もう遅い。
昔の話をされるとは…。

「少しだけど話をして、中本さんが遼哉の親友だっていうのがよくわかった。すっごく、いい人ね」
「そうだな。でも、いい男ぶってるところがちょっと俺としては納得できないんだけど」

口ではこんなことを言っているが、遼哉は真にだけは素を見せていた。
学生時代からの数少ない友人の1人だし、一生付き合っていける相手だと思う。

「黙ってた理由を聞いてないな」
「それ?中本さんがね、『今日のことは遼哉には内緒な。知ったらあいつ、何するかわからないから』って」
「親友に対して、そんなことはしないだろう」
「どうかな?」
「なんだそれ」

―――遼哉のことだから、何をするかわからないものね。
憂は彼の肩に頭を乗せる。
久し振りに感じる彼の温もり。

「ほんとにごめんね」
「俺こそ、ごめん。大人気なかった」

遼哉は憂の存在を確かめるように肩を抱き寄せて、頬に手を滑らすとくちづける。
柔らかな感触、一度覚えたら止められない、まるで麻薬のよう。

「…っん…待っ…て…」
「待たない。憂がいけないんだ」
「…そ…んな…やぁ…っん…」

舌を絡めながら憂はソファーの上に押し倒されて、カットソーの中に遼哉の手が入ってくる。
慣れた手つきでブラのホックを外し、あっという間に白い肌が露になった。

「…やっ…こんな…明るいのに…」
「ダメ。憂の全部を見たいんだから」

―――見たいって…。
こんな明るいところで、あたしだけなんて…。
膨らみを揉まれて硬くなった蕾を指で刺激されると、全然大きくないくせに人一倍感じてしまう。

「…あっ…ん…っ…」
「相変わらず、感度がいいな」
「…だっ…て…りょ…や…が…そん…な…ぁっん…」

蕾を吸われて舌で転がされ、時折甘噛みされると全身に電気が走ったような衝撃が走った。
それだけでもイってしまいそうなのに、腰の辺りまで捲れ上がったスカートから丸見えだったショーツの中へ遼哉は手を滑り込ませ、秘部を容赦なく攻める。
親指の腹で突起を擦るように刺激されて、人差し指が憂の中を掻き回す。

「…ダ…メっ…んっ…ぁっ…」
「もう、こんなに濡れてる」

―――そんなこと、いちいち口に出して言わないでっ。
と思っても、もう憂には声にならなかった。

「…んっ…ぁっ…イっ…ちゃ…う…」
「いいよ、イって」
「…あぁぁっ…っ…んっ…」

憂は、ぐったりと力なく横たわる。

「憂、まだまだだから」
「…いっ…やぁんっ…ナ…二?…」

下半身にかろうじて身に着けていた物を全部取られて生まれたままの姿になると、体を起こされてソファーの背に手を掛けた格好で四つん這いにされる。

「ヤダっ、こんな格好」
「いい眺めだね」

遼哉からは、憂の秘部が丸見えで…。
―――遼哉の悪趣味!ヘンタイ!

「…っあ…いやぁっ…っ…ん…」

ウィーンという音と共に、今まで感じたことがない異物が憂の中に入ってきた。

「…やぁんっ…りょ…や…なん…な…の?…っあぁぁ…っ…」
「これ?浩介にもらったんだ」

――― 矢野くんにもらったって、ナニよコレ…。
もしかして、なんとかプレイとかいうのに使うヤツ?
それはまるで、生き物のように憂の中で動いている。

「…な…ん…なの?…やぁん…変…な…こと…しな…い…でっ…っぁん…」
「俺より、気持ちいい?」
「…そん…な…わ…け…っぁ…っ…」

―――気持ちいいとか、そんなんじゃない。
いくら、中本くんとのことを黙っていたからってこんなこと…。
いつの間にか憂の声は、嗚咽に変わっていた。
それに気付いた遼哉は、慌ててモノを憂の体から引き抜く。

「憂、ごめんな。痛かった?」

遼哉は憂の体を抱き上げてソファーに座り、自分の膝の上に彼女を乗せる。

「ほんとごめんな。度が過ぎた」
「悪いって、思ってる?」

「あぁ、ごめん。悪かった」と遼哉は、優しく憂を抱きしめる。
こんなつもりじゃなかったのだが、『普通の行為じゃ、つまらないだろ?』と浩介が冗談でくれたモノを出来心から使ってみたくなった。
大事な憂を泣かせるつもりなんて、これっぽっちもなかったのに…。

「憂、泣かないで。ごめんな」
「うん、もうしないって約束してくれる?」
「あぁ、絶対にしないよ。憂の涙は二度と見たくないから、約束する」
「だったら…遼哉のを入れて、遼哉じゃなきゃ嫌なの」
「わかった。ベッド行こうか」

そのまま抱き上げてベッドの上に静かに憂を寝かせると、遼哉は身に着けていた洋服を全部脱いでお互い生まれたままの姿になる。

「俺、我慢できないから、入れるよ」
「うん、来て」

遼哉は、ゆっくりと憂の中に自身を沈めていく。
『うっ、ヤベっ。気持ちよ過ぎ』
憂には悪いことをしてしまったけれど、あんな姿を見せられて既に硬くなっていた遼哉のモノは、彼女の中に入っただけでイってしまいそうだった。

「…んっぁ…っ…りょ…う…やっ…」
「憂っ…愛してる」
「…っあ…っ…りょ…や…イ…くぅ…」
「俺…もっ…」

二人同時に果てて、暫く動くことができなかった。



「憂、目が覚めたのか?」

あれから何度となく交わってすっかり腰抜けになってしまった憂は、遼哉にお風呂に入れてもらってグッスリ眠っていたようだ。

「遼哉、早いのね」
「あぁ、朝食を作ってたから。お腹空いただろう?ここに運んで来るから待ってて」

軽く憂の額にチュっと音を立ててキスすると、遼哉はキッチンへと向かう。
結局、昨夜は憂が作った食事は食べずじまいだったから、すっかりお腹も空いていた。
少しして、メープルシロップのかかったパンケーキとカフェオレのいい香りが部屋に漂ってきた。
男の人なのに遼哉は料理がすごく上手い。
特にメープルシロップのかかったパンケーキとカフェオレは、憂の大好物だった。

「今日は、このまま」

憂が着替えるためにベッドから出ようとしたところを、やんわりと遼哉に止められた。

「え?だって…」

―――何も身に着けていないのに、このままって…。

「今日は一日ベッドで過ごすんだから、着替える意味なんてないだろう?」
「えぇ?!」

―――そんなぁ、一日?嘘でしょ…。
小さく気付かれないように溜め息を吐くと、カフェオレのカップを手渡される。
あ〜ぁ、いい香り。

「憂、今変なこと考えてただろう?」
「え、変なこと?」

遼哉がベッドの端に腰掛けて、憂の肩を抱き寄せる。

「そう。俺が言ったのは、今日一日、憂は何もしなくてもいいって意味なんだけど」
「え…だって」

てっきり、あっちのことだとばかり思っていた憂は、誤魔化すためにカフェオレを口にする。

「お詫びっていうか、こんなんじゃ許してもらえないかもしれないけど、今日は一日俺が全部するから。憂は、ゆっくり休んでて」
「もう、気にしなくていいのに」
「そうはいかない。憂を泣かせた責任は、重大だから」

メープルシロップより甘いキスを交わす。
憂は今日一日、お姫様のような扱いだった。

+++

ちなみにその後、浩介と真は遼哉にこっ酷く叱られたことは言うまでもない。


To be continued...


← お話を気に入っていただけましたら、ポちっと押していただけるともしかして…。

続きが読みた〜い、良かったよ!と思われた方、よろしければポチっとお願いします。
福助

※ このお話はフィクションです。実在の人物・団体とは、一切関係ありません。作品内容への批判・苦情・意見等は、ご遠慮下さい。
誤字が多く、お見苦しい点お詫び申し上げます。お気付きの際はお手数ですが、下記ボタンよりご報告いただければ幸いです。

NEXT
BACK
INDEX
PERANENT ROOM
TOP


Copyright(c)2006-2013 Jun Asahina,All rights reserved.