あたしには、男友達がたくさんいる。
その中に彼は、含まれるのだろうか?
恋人なのか、男友達なのか…。
「町田さんって、男友達なんですか?」
「はぁ?なんだ。いきなり、男友達って」
町田さんには、あたしの言っている意味がわかっていない。
こんな言い方では、彼でなくてもわからないだろう。
「だ・か・ら・、町田さんは、あたしの男友達かってことですよ」
「お前は、そう思ってるのか?」
「う〜ん。わかりません」
「わかりませんって、なぁ」
ガックリ肩を落とす町田さん。
本当は、わかってる。
町田さんが、男友達なんかじゃないことを。
「お前は、男友達と二人で、デートするのか?」
「しないかな?」
「かな?かよ…。まあ、いい。じゃあキスは?」
「キスですか?」
黙って領く、町田さん。
男友達とキスはしない。
じゃあ、町田さんとならキスするの?
「しないんじゃないですか?」
「だろう?」
妙に自信たっぷりに言う町田さんだったが…。
「だったら、あたしにとって町田さんはやっぱり男友達ですね」
「なんで、そうなるかなぁ」
「だって、町田さんとキスしたことないですもん」
「そうか?」
「そうですよ」
町田さんとは微妙なデートはしたが、キスはしたことがない。
「だったら、してみるか?」
「男友達とは、キスしないですもの」
「そういうこと言うか」
町田さんは、あたしを抱き寄せると唇に柔らかいものが触れた。
不意打ち!と思ったけど、それはとっても優しくて心地いいもので…。
こんなキスするの久しぶり?ううん、初めてかも。
知らぬ問にあたしは、町田さんの背中に自分の腕を回していた。
「これでも男友達か?」
「どうかな?」
「こら、まだ言うか。この口は」
再び、町田さんの唇が重なる。
キスしてもらいたいから、何度だって言う。
町田さんは、やっぱり男友達。
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