君だけに
Story15

R-18

結局、恭の母親の言葉に甘えてお風呂まで入れてもらい、後は寝るだけという状態だった。

「おじさん、遅くなるって?」
「うん。最終の電車で戻るって言ってた」
「美春、大丈夫か?なんかゴロゴロいってるみたいだけど」

まだ、雨は降り出していなかったが、遠くの方で雷の鳴る音が段々大きくなってきていた。

「大丈夫、じゃないかな…」
「俺が側にいるから、もう少しここにいたらいいよ」
「うん」

雷が遠ざかるまで、恭は美春の家にいることにしたが、なんだかお互い意識してしまって会話があまり続かない。
そんな時、美春は思い切って恭に聞いてみることにした。

「あの…ね、恭ちゃん…」
「うん?」
「あの…」

美春の方から声を掛けたのにどうしても先の言葉が出てこない。

「どうしたんだ?何かあったのか?」

心配した恭が問い掛ける。
―――何かあったのか?

「あの…恭ちゃんは…えっち…したことあるの?」
「え?」

美春の口からそういう言葉が出てくるとは正直思っていなかった恭は、一瞬なんと答えていいかわからない。

「どうして、そんなこと聞くんだ?」
「ルミちゃんがね、雄太さんとえっちしたって聞いたの。そしたら、恭ちゃんは初めてじゃないかもって」
「美春は、俺が初めてじゃない方がいいと思う?それとも初めての方がいい?」

ベットの端に腰掛けていた二人だったが、恭が美春の肩に手を掛けて髪をゆっくりと撫でる。

「恭ちゃんが初めてだからとか、そうでないとかっていうことはそんなに気にならないの。でも、あたしだけなのかなって思ったら…」
「こういうことは、早く経験したからいいというもんじゃないと俺は思う。本当に好きな相手とするのが一番だから」
「うん」
「俺は、今まで美春のことだけをずっと想ってきたんだ。だから、誰とも付き合ってない。従って、誰ともえっちはしていないってこと」
「え?」

―――恭ちゃんは、誰ともえっちしてなかったんだ。
それを美春は嬉しいと思ってしまう。

「男としてはどうなのかなって思うけど、そういうことをしていいって思える相手は俺にとって美春だけだから」
「恭ちゃん…」
「でも、美春の気持ちを大事にしたいし、雄太がしたからとかそういうことは全然思ってないよ。無理に急ぐことはないからな」
「恭ちゃんは、したいって思う?」
「そりゃ、俺も男だからな、好きな子とこんなふうにくっついていたら、そう思わなくもないよ」

恭だって健全な男子である好きな子を目の前にしてずっと我慢してきたが、一方的な欲望だけで美春を抱くことなどできるはずがない。

「だったら…してもいいよ」
「えっ、美春…今、なんて言った?」
「えっちしてもいいって、言ったの」

さっきから恭は、美春に驚かされっぱなしだった。
子供だと思っていた美春が、こんなことを言うなんて…。

「俺は、美春の気持ちが一番だと思ってる。ルミちゃんがとかそういんだったら、やめた方がいい」
「違うの。あたしは、恭ちゃんがしたいなら、そう思ってるのなら我慢して欲しくない」
「美春…」

恭は、美春のことをぎゅっと抱きしめた。

「わかった。でも、俺も初めてだからうまくできないかもしれないぞ?」
「うん、恭ちゃんを信じてるから」

そんな可愛いことを言われて、恭の理性もどこかに吹き飛んでしまった。
まだ、普通のキスしかしたことがない美春に大人のキスが受け入れられるだろうか?
美春の顎に手を添えると、そっと唇と唇を合わせる。
初めは啄ばむようにそして段々と深いものに変わっていくと、美春の口から思わず声が洩れた。

「…っん…ぁ…っ…」

その声だけでも、恭のモノを熱くさせるのには十分だったかもしれない。
ゆっくりと舌を入れて、美春の咥内を味わう。
不器用ながらもそれに答えようとする彼女が可愛くて、愛しくて…。
そのまま、ゆっくりとベットに押し倒した。

「恭…ちゃ…ん」
「美春、怖い?やめる?」
「ううん、恭ちゃんと一緒だもん。ちっとも怖くなんかないよ」

もう一度くちづけると、制服から着替えていたカットソーのボタンを上から順に外していく。
結構あると思っていた胸は、実際恭の予想以上だったかもしれない。
背中に腕を回してブラのホックを外すと、美春は思わず胸を両手で隠してしまう。

「ダメだよ、美春。ちゃんと見せてくれないと」
「だってぇ、恥ずかしい」
「わかった。じゃぁ、俺も脱ぐから。そうしたら恥ずかしくないだろう?」

恭は、着ていたTシャツを脱ぐと上半身裸になったが、がっしりとした男らしい体つきに逆に美春が見惚れてしまう。

「恭ちゃん、かっこいい」
「なんだよ、そういうこと言われると照れるだろう?」

照れているのを誤魔化すために両手で覆っていた美春の腕をそっと外すと、恭の口から溜息が洩れた。

「恭ちゃん、あたし…変?」
「そんなことあるはずないだろう?綺麗過ぎて、目が離せない」
「ほんと?」
「あぁ、ほんとだよ。いつの間に、俺の知らないところで美春はこんなに綺麗になったんだ?」

恭が驚くのも無理はない。
美春の体は、すっかり大人の女性へと変貌していたのだから。

「そんなに見ないで、恥ずかしい」
「ずっと見ていたいくらいだけど、俺ちょっと無理みたい」

恭自身もズボンをはいていてもわかるくらい既に硬く主張していて、このまま美春の綺麗な体に見惚れているわけにはいかなかった。
右手で少し余るくらいの膨らみをゆっくりと揉みながら、もうひとつの膨らみの淡いピンク色の蕾を口に含む。
舌で転がしながら甘噛みすると、美春の口からさっきよりも甘美な声が洩れた。

「…やぁっ…っ…きょ…ちゃ…っん…」

―――なんなの?この感覚…それにこんな声を出すなんて…。
今まで味わったことのない感覚に、美春はどう対処していいかわからない。

「大丈夫、2階には誰も上がって来ないから、声我慢しないで」
「…だっ…て…っぁ…ん…」
「美春…」

美春の前ではお兄ちゃんを装っていた恭も、今はすっかり余裕がなくなっていた。
男だからそういうビデオも見たことがあったけど、実際体験してみるとそれ以上の快感に溺れてしまいそう。
美春が身に着けていたデニムのスカートをショーツごと抜き取ると、もうそこはしっとりと濡れていた。

「…ちょっ…待って…きょ…ちゃ…っあぁっ…っん…」

足を開かせて薄い茂みから主張している赤い蕾を指で触れると、さっきよりも大きな声が部屋に響く。
未だかつて誰も触れたことがない領域に、恭の指が入ってくる。

「…あ…っん…」
「美春、痛い?」
「…っん…大…丈夫」
「もう少し濡らさないと痛いから、もう一本入れてもいい?」

―――え?もう一本って…。

「…んっあぁ…っ…ぁ…」

2本に増やされた指が動く度に美春の体は電気が走ったような衝撃にかられ、どうにかなってしまいそうだった。

「…きょ…ちゃ…っん…ぁ…」
「美春、ちょっと待ってて」

恭は全てを脱ぎ去るとゴムを身に着けて、美春の部分にあてがう。

「美春、入れるよ。痛かったら言って、すぐにやめるから」

「うん」と黙って頷いた美春の中に少しずつ自身を埋めていく。

「…っん…いっ…たぁ…」

ルミが痛いなんてもんじゃないと言っていたが、本当にその通りだと美春は思った。

「美春、やめようか?」
「お…願い…や…め…ない…で…」
「美春、少しだけ辛抱して」

ゆっくりと確かめるように恭は美春の中へ入っていく。
―――くぅっ…気持ち…いい。
美春には悪いが、恭にとってはものすごく気持ちいい。

「全部入ったよ」
「ほ…んと?あたしの中に…恭ちゃんがいるの?」
「そうだよ。美春の中に俺がいるんだ」

美春の瞳には薄っすらと涙が滲んでいたが、恭にはここでやめることなどもうできそうにない。
涙を拭うように何度も何度もくちづける。

「動くけど、美春もうちょっとだけ我慢して」
「…ん…っあぁぁぁ…っ…」
「好きだっ…美春…っ…」
「…あ…たし…も…きょ…ち…ゃんが…好き…っあぁぁ…」

最後はお互いどうなったのかよくわからなくて、美春が意識を取り戻した時には外は雨と雷の音が鳴り響いていた。

「美春、大丈夫か?」
「恭ちゃん…あたし…」
「ちょっと眠ってた。ごめんな、無理させて」

隣で優しく頬を撫でる恭の手が心地いい。
―――そうだ…あたし、恭ちゃんと…。
下半身の違和感に思い出しただけでも体の中がカーッと熱くなってくる。

「ううん。あたし、恭ちゃんとひとつになれたんでしょ?」
「あぁ、そうだよ」
「恭ちゃん」
「美春、ありがとう。初めてを俺にくれて」
「それは、あたしも同じだもん―――やぁんっ」

二人とも生まれたままの姿だったが、恭は込み上げる嬉しさのあまり美春をぎゅっと抱きしめる。
そして―――。

「好きだよ。美春」

そう、耳元で囁いた。


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