「やぁっ…っん…」
「うん?帆波ちゃん、何が嫌なのかな?」
顎にあてられていた手がスルスルと下りてきて、カットソーの中に入ってくる。
肌に直に触れられて、わき腹が弱い帆波は、避けるために身を捩った。
―――うわっ、ちょっと!このナンパ男なにするのよ!
なんて、帆波の言葉が届くはずなく…。
「ちょっ、やぁっ…」
その手が今度は上がってきて、ブラの越しに胸を揉み始めた。
いきなり好きとか言われても、帆波にはとてもそれを受け入れることなどできるはずがない。
全身の力を腕に込めて、思いっきり湊の胸を押し返す。
「日向さんっ、なんなんですか。こんなこと!」
「俺の気持ちを帆波ちゃんに知ってもらうためだけど?」
しれっと言い切る湊に段々腹が立ってくる。
「知らなくて、結構です!こんなことをするなら、もうここへは来ないで下さい。取り敢えず、今のことはなかったことにしておきますからっ」
「嫌だよ」
「はぁ?」
―――嫌ってなに!嫌って。
自分が悪いことをしていると思っていない湊は、ニコニコといつものように微笑んでいる。
一瞬、頭がおかしくなってしまったのではないかと疑ってしまうくらい。
「来るなって言われても無理だし、なかったことになんてできないから」
「そっ、そんなこと…勝手なこと言わないで下さい。日向さんの遊びには、付き合えませんから」
「遊び?それこそ俺がいつ、そんなことを言ったかな?」
「だっ、だって、そうとしか思えないです」
こんなことをしておきながら、遊びじゃないなんて…。
だったら、何だって言うのよ。
「俺は遊びで、こんなことはしない。好きな子にしかね」
「そういう軽い言葉が信じられないって、言ってるんです」
「困ったねぇ。でも、そこが帆波ちゃんらしいんだけど」
湊は帆波の頬に手を副えて、軽く額にくちづける。
「ねぇ。帆波ちゃんは、俺のこと嫌い?」
「こんなことをする日向さんは、嫌いです」
きっぱり言い切る帆波に湊は苦笑をもらしつつも、やっぱりらしいと思ってしまう。
「じゃあ、真面目な日向さんだったら好きってこと?」
自分で『日向さん』って言わないでよと思ったけれど、好きか嫌いかと問われれば、少々のナンパ男は仕方ないとしても好きだとは思う。
「たぶん…」
「そっか。だったら、俺が真面目に帆波ちゃんに告白したとするじゃない?それで、帆波ちゃんが『はい』って言ってくれたとする。その後だったら、いいの?」
「え?」
帆波には、湊が言おうとしていることがよくわからない。
「真面目に装っててさ、付き合ってみたらものすごくえっちなヤツだった〜っていうは仕方ないになっちゃう。でも、初めからは信じられないっておかしくない?」
『それは、あなたの頭の中がおかしいの』と帆波は思ったが、言われてみればなんとなくそんな気がしてしまうのはなぜだろう?
―――だからって、日向さんが軽い男だってことには変わりないじゃない。
「日向さんのまるで体目当てみたいな言い方が、信用できないです」
「さっきから、言ってるでしょ?俺は、好きな子にしか勃たないって」
―――あ〜、この男には何を言ってもダメなのね…。
だけど、この状況を打破するにはどうすればいいのかしら?
「わかりましたけど、あたしが日向さんのことが好きとか、そういうことではないですからね」
「帆波ちゃんも強情だね」
「強情で結構なんですぅ」
「ここは、こんなになっちゃってるのに?」
スカートの中に入って来た湊の手が、ショーツを掠める。
さっきのキスで反応してしまった体は、すっかり帆波の大事なところを湿らせていた。
「やっ、ちょっと。どこに触ってるんですかっ」
「もう、素直になろうね。帆波ちゃん」
「素直って…ぁ…っん…」
これ以上言葉を言わせないと言わんばかりに深くくちづけて、湊の舌が帆波の舌を絡めとる。
それは決して強引とかそういうことではなくて、どこまでも優しく情熱的で…。
恐らく、こんなキスは初めてで…全てが酔わされてしまう。
初めは抵抗していた帆波も段々とおとなしくなって、湊に応えるように腕を背中に回していた。
「っ…んっ…はぁ…」
「そう、もっと可愛い声聞かせて」
「…ぁ…んっ…はぁっ…」
「そうだよ、帆波ちゃんいい子だね」
スカートの中の手はショーツの間から秘部へと入ってきて、指で蕾を擦り上げる。
タダでさえ敏感になっている部分だけにより一層、帆波の口から甘美の声が洩れた。
「…あっ…ん…ぁっ…」
「気持ちいいの?」
「そん…な…ぁんっ…」
入って来た指が内壁を掻き回すとくちゅくちゅといやらしい音が、室内に響き渡る。
帆波は立っているのもやっとで、湊の背中に回していた腕を首に移動させた。
「あっ…んっ…だっ…め…」
「ここがいいの?」
「ちがっ…んっ…」
さすがにこれ以上立ったままというのはきつかったので、湊は帆波を抱き上げるとソファーに横たえた。
帆波はロフトにマットを敷いて寝ているから、そこまで運ぶのは少々無理があったから。
カットソーを首から抜いて、邪魔なスカートも脱がせてしまう
意外にも黒いレースの下着は妙にセクシーでDカップのナイスなボディが、湊のハートに余計火を点ける形になってしまうとは…。
「帆波ちゃん、随分大胆だね。こんなセクシーな下着姿は、俺を誘ってるとしか思えないんだけど」
「そんなこと…」
―――だって、下着が趣味なんだもん、しょうがないじゃない。
別に誰に見せるわけでもないし…。
可愛いものやちょっと大人っぽい下着を見つけると、帆波はついつい買ってしまうクセがあった。
それにこんなことになるとは思っていなかったのだから、そこまで考えていなかった。
「似合ってるよ」
そう言ってくちづける湊は、やっぱりどこまでも優しくて…。
もう少し下着姿を見ていたかったけれど、既に湊のアソコもかなり元気になってしまっていて、それどころではない。
スーツからTシャツとジーパンに着替えていた湊は、帆波と同じように下着だけになる。
彼は、意外にもビキニパンツ…。
―――うわっ、ビキニ!それにモッコリ…って、あたしは何を言ってるんだか…。
「日向さんこそビキニパンツなんて、あたしを誘ってるとしか思えませんね」
「これでも一応誘ってるんだけどね。帆波ちゃんも、その気になってきたのかな?」
余計なひと言が湊の気を引いているとは、全然思っていない帆波。
お互い全てを取り去って生まれたままの姿になると、我慢できなかった湊はそそり立つものを帆波の中に挿入する。
「んっ…ぁあぁぁっ…っ…」
「ごめんね。ゴムを持ってなかったから、そのまま入れちゃって。帆波ちゃんの中には出さないようにするよ」
夕食を食べに来るだけだったから、さすがにゴムは持ってきていない。
そのまま入れるのは躊躇われたけれど、この状態で我慢するのは到底無理だった。
「帆波ちゃんっ。ヤバっ・・・気持ち…いいっ」
腰をガッシリと押えて、規則正しく挿入を繰り返す。
あまりに気持ちよすぎて、すぐにでもイってしまいそう。
湊の好きな子の前でしか勃たないというのは本当で、ずっと溜まっていたせいか果てるのは早そうだ。
「…ん…あぁぁぁっ…っ…イ…くぅ…」
「俺も…ダメっ…出…る…」
危機一髪というところで、湊は帆波のお腹の上に自身を吐き出した。
「危なかった…。帆波ちゃんの中、気持ちよすぎて」
まだ、息の荒いしっとりと額に汗が滲む帆波の前髪を湊はそっと指で避けると、軽く触れる程度のキスをおとす。
「本当に気持ちよかった?」
「うん。もう、めちゃめちゃ気持ちいい」
嬉しそうに言わないで!って帆波は思ったが、彼の顔を見ているとそんなこともすっかりどこかに飛んで行ってしまう。
「帆波ちゃん汚れちゃったね。一緒にシャワーを浴びてから、もう一回しよっか。今度は、ゴム持ってくるから」
「えっ?一緒にシャワー?もう一回?」
「ずっと溜まってたんだよね」と平然と言う湊に返す言葉もなかったが、それでもなぜか帆波は嫌と言えなかった。
※ このお話はフィクションです。実在の人物・団体とは、一切関係ありません。作品内容への批判・苦情・意見等は、ご遠慮下さい。
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