IMITATION LOVE
STORY7

R-18

「オイっ、大丈夫か」
「え〜大丈夫ですょ〜」

―――ちっとも、大丈夫じゃないだろうが…。
ワインを1本空けてすっかりご機嫌な莉麻を田村は抱きかかえるようにして、車まで連れて行く。
酔ったところを観察する楽しみなんて思ったはいいが、ここまで酔っ払うとは…。
莉麻を助手席に乗せると、ゆっくり車を走らせた。

「横田さん、家はどこなんだ?」
「え〜誰?横田って。私は里中、さとなか〜りまって名前なんだけど〜」

―――さとなか?りま?
横田 綾子じゃ、なかったのか?
まさか、酔ってても自分の名前まで間違えるわけないし…。

「で、さとなかさん。家はどこなんだ?」
「え〜家?家ねぇ…私の家はどこでしょう。あはは…」

―――ダメだ、こりゃ…。
もしかして、ものすごく酒癖が悪いのか?
こんな可愛い顔して、変な男に連れて行かれたらどうするんだよ…って、俺?!
俺は変な男じゃないだろう、ちゃんと付き合うって本人から承諾を得ているんだから。
などと思いつつ、田村は自分の家に向かって車を走らせた。

田村の家は、繁華街を少し入ったとても閑静な場所にある。
すっかり熟睡している莉麻を抱き上げると家の中へと入って行くが、なんて軽いんだろう?あんなに食べていたのに。
直に触れてみると、莉麻の体は折れてしまいそうなくらい細かった。
ソファーに寝かせようかとも思ったが、あまりに気持ちよさそうに眠っているものだから、自分のベットに寝かせることにする。
瞳が開いている時の彼女はとても可愛らしいのだが、こうやって閉じていると大人びていて美しい。
田村は、吸い寄せられるように莉麻の唇に自分のそれを重ね合わせていた。
ほんのりアルコールの香りがしたが、柔らかくてとても気持ちいい。
すぐに離すつもりだったのに無意識のうちに舌を絡めていた。

「…っぁ…っん…っ…」

眠っていたはずの莉麻は息苦しかったのか、薄っすらと目を覚ましたよう。

「ごめっ…」

慌てて田村は唇を離そうとしたのだが、なぜか莉麻の方がそれを拒んだ。

「横…えっと、さとなかさん?」
「莉麻って、呼んで」

名前の真相はよくわからないが、田村は言われるままに「莉麻」と名を呼ぶと返ってきた言葉は意外なものだった。

「総司―――」

―――ソウジ?
ソウジって、誰だ?

「莉麻?ソウジって」
「あなた、総司でしょ?」
「えっ、あっいや…」

―――もしかして、誰かと勘違いしてる?
こういう時は、どうすればいいんだ…。
様子をみるために取り敢えずここは、莉麻の言うようにソウジという人物に為りきるしかないのか…。

「総司なんでしょ?」
「あっ、あぁ」
「総司、会いたかった…私を置いて、どこに行っていたの?ずっと待ってたのに…」

―――ソウジってヤツは、彼女を置いてどこかに行っているのか?
そんな莉麻の瞳からは、薄っすらと光るものが零れ落ちた。

「ごめん」

田村は、涙を指で拭うと莉麻を抱きしめた。
ホッとしたのか彼女の涙は止まるどころか余計に溢れ出て、その間も田村は何も言わずにずっと抱きしめていた。

「もう…どこへも行かないわよね?いなくなったりしないわよね?」
「あぁ、どこへも行かない。ずっと側にいるよ」

この言葉にやっと落ち着いたのか、莉麻の顔に笑顔が戻る。
さすがに泣かれるとは思っていなかったから田村も安堵したのだが、またまた莉麻の口から飛び出した言葉に驚いた。

「だったら、抱いて」
「え…」

―――抱いてって…。
そりゃぁ、俺も男だし、少なからず好意を持っている相手から言われて嬉しくないことはないが…。
しかし、彼女は自分をソウジという男と勘違いしている。

「いや、でも…」
「総司は、いつもそう。私に魅力がないから?」
「そんなこと…」

―――そんなこと、あるはずがない。
少なくとも俺には…。

「だったら…」
「わかったよ」

酔っていて、更に自分を別の男と勘違いしている女性を抱くのは気が引けたが、なぜか拒んではいけないような気がしてならなかった。
田村はもう一度くちづけると、莉麻の着ていたワンピースの背中のジッパーに手を掛ける。
インナーに着ていたキャミソールから見える胸元の谷間につい目がいってしまうほど、さっき抱き上げた時には想像できないくらいそれはふくよかなものだった。
―――うわぁっ、これは犯罪だろう。
それは、思わず声に出して言ってしまいそうになるくらい。
手を添えると、ふんわり柔らかい。
お酒でほんのり赤みを増した顔で、おまけにこんな姿を見せられて、田村の理性などきくはずもなく…。
莉麻の下半身を覆う小さな布を残して全てを剥ぎ取ってしまうと、本当に綺麗なのだと改めて思った。
そして、スカートから見えていた足は直に見ると更に長く見える。

「…は…っぁ…っん…」

膨らみに直に触れてゆっくり揉み解しながら、既に硬くなっていた蕾を指で弾く。
もう一方の蕾は口に含んで舌で転がすと、莉麻の可愛い声がより一層大きくなった。

「…あっ…総…司…っ…ん…」

総司という男だと思われているのはなんとも腑に落ちないが、それでも田村は構わなかった。
というより、莉麻の中に秘められた何かがあるような気がして、それを知りたかったのかもしれない。
田村は自身が身に纏っていたものを全て脱ぎ捨て、莉麻の最後の一枚も取り除くと、二人生まれたままの姿で抱き合う。

「莉麻」
「総…司…」

しなやかな肢体に手を滑らせて秘部に触れると、そこはもうしっとりと濡れていた。

「…やぁっ…っ…」
「ごめっ、痛かった?」

指を数本出し入れすると顔をしかめる莉麻。
入れただけでもその狭さは、すぐにわかる。

「…だい…じょ…ぶ…っ…」
「ほんと?」
「…ほ…んと…だから…止め…ないで…」

懇願するように言われて、田村自身もここで止めることはもう無理だった。

「…っん…ぁっ…」
「莉麻、俺もう我慢できない。入れてもいい?」

黙って頷く莉麻に田村は自身に準備を済ませ、一気に貫いた。

「…きゃ…ぁっ…っ…」
「狭…い」

指だけでもそう感じたが、彼女の中はそれ以上に狭かった。
莉麻の悲鳴にも似た声が、部屋中に響き渡る。

「ちょっとだけ、我慢して」
「…あぁぁぁぁっ…っ…っ…ん…」

彼女の痛がり方は尋常ではなかったが、ここまできたら最後までいくしかない。

「…っん…ぁっ…総…司…っ…あぁぁぁ…っ…」
「…莉…麻…っ…」

田村がイった時には、莉麻はほとんど意識を失いかけている状態だった。

「大丈夫か?」

汗で額に張り付いた彼女の髪をそっと指で避けながら…。
―――え…まさか…。
抱いてなんて自分から言ってきたから、てっきり…。
あの痛がり様から見ても、多分初めて…。
―――嘘…だろ…。

ソウジという男のこと、そして初めてだったということ…一体、彼女に何が…。
腕の中で寝息を立てて眠ってしまっている莉麻を複雑な思いで見つめる田村だった。


※ このお話はフィクションです。実在の人物・団体とは、一切関係ありません。作品内容への批判・苦情・意見等は、ご遠慮下さい。


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