Snow Blue
Stoey12

R-18

時刻は、18時を過ぎたところ。
今日は一日中忙しくて、もえもまだまだ帰宅できそうにはないなと思いながらコピーを取っていると、和也がこめかみを押さえながら入って来た。

「主任、コピーですか?」
「あぁ、これ明日の朝一番で使う会議の資料なんだ。悪いけど、10部頼むよ」
「はい、わかりました。主任、お疲れのようですけど、大丈夫ですか?」
「なんか、さっきから頭が痛くて」
「え?」

もえの表情が変わったのに気付いた和也は、急いで「別にたいしたことじゃないよ」と言葉を付け足した。

「でも、なんだか顔色も悪いようですけど」
「大丈夫だよ」

そう努めて明るく振舞う和也だが、どう見ても我慢しているようにしか見えない。
―――本当に大丈夫かしら?
最近、ちょっと無理してたし…。
彼の後姿を見送りながら、心配なもえだった。



「芹沢さん、帰った方がいいですよ」

パソコン画面に向かいながら、やはりこめかみを押さえている和也に雄斗も気になって声を掛ける。

「犬丸さん。大丈夫ですよ」
「気持ちはわかりますが、今日無理に終わらせなければいけないってことでもないでしょうし。彼女も心配していますから」

雄斗がさり気なく教えてくれたのだが、もえが心配そうな顔で和也を見つめていた。

「俺も帰りますから、無理しない方がいいですよ」
「そうですね、わかりました」

もえのあんな顔を見てしまうと、ここは帰らないわけにもいかないだろう。
まだ残っていた美好と4人で会社を出ると、和也の頭痛はより一層ひどくなるようだった。

「主任、大丈夫ですか?」
「ごめんな、もえに心配かけて」
「そんなこと」

電車の中でも和也は苦しそうで、もえの肩にずっと頭を乗せたままだった。
和也はわりと会社に近いところに住んでいるため1人でも帰れると思っていたのだが、一緒にもえも降りてしまう。

「もえ、まさか俺の家まで来る気?」
「当たり前です。和也さん1人で帰すなんて、心配です」
「でも…もえの家は遠いんだから、俺の家に寄って行ったら遅くなっちゃうぞ?」
「気にしないで下さい。それより、早く帰らないと」
「あっ、あぁ」

もえに引っ張られるようにして、和也は自分の家に向かう。
―――案外、こういうところは強引なんだよな。
などと思いながらも家まで来てくれるというのは、やっぱり嬉しい。
毎日、こうやって手を繋ぎながら家に帰れたらいいのに。

「熱はないようですけど、食欲はどうですか?」
「普通に腹は減ってるよ」
「じゃあ、何か作りますね」

冷蔵庫にはビール以外何も入っていなかったが、週末にもえが冷凍していってくれたものがあってよかったと思う。
1人だったら栄養ドリンクでも飲んで寝るだけなのに食事も作ってもらえて、なにより彼女がいるだけでこんなに安心できるなんて。

「もえ、ありがとう」
「そんな…でも、たいしたことないみたいでよかったです」

食欲もあるし熱もないようなので、ホッとしたもえ。
和也には悪いが、そのおかげでほんの一時でもこうやって側にいられるのだから。

「お薬を飲んで、すぐに眠って下さいね」
「え?もえ、もう帰るのか?」
「はい、帰らないと遅くなっちゃいますから」
「泊まっていったら?」
「え?!」

―――泊まっていったらって…。
もう少しここにいたいのは山山だけど…明日も会社に行かなければいけないのに…。

「俺、ここからもえを1人で帰す方が心配なんだけど」
「そう言われても…」
「あ~痛い。また、頭が痛くなってきた」
「和也さんっ、大丈夫ですか?わっ、わかりましたから」

わざと大げさに言ってみたのだが、もえは本気にしてしまったよう。
―――ごめん、もえ。
しかし、心の中で謝りつつもガッツポーズをとる和也。
今夜は、もえと…。

「だったら、早く寝ないと」
「へ?うわぁっ」

せっかくいいことを考えていたのに、無理矢理ベットに押し込まれてしまった和也。
一体、もえのどこにこんな力があったというのだろう…。

「なら、もえもだよ」
「え…和也さ…っん…ぁっ…っ…」

和也はもえの腰に腕を回してベットに引き込むと、ぎゅっと抱きしめて素早く唇を奪う。
もえの唇は柔らかくて、一度合わせてしまうと心地よくて止めることができなくなる。

「…っあ…和也…さんっ…頭が…痛い…ん…じゃっ…っ…ん…」
「もえとキスしてると、痛いのなんて忘れちゃうよ」
「そん…な…こ…と…っ…」

舌を入れてもえの口内をゆっくり味わうと、嫌がっていたはずなのに段々とおとなしくなってくる。

「もえ、愛してるよ」
「和也さ…ん…私も…」

くちづけたまま、もえのブラウスのボタンをゆっくりと外していき、真っ白な肌に赤い薔薇の花を咲かせる。
これは俺のモノだという証、いつまでも消えなければいいのに…。
背中に腕を回してブラのホックを外すと、形のいい膨らみが顔を出す。
既に感じているのか、先はツンと上を向いていた。

「もえ、感度がよくなってきたみたい」
「え?かんど?」
「そう。こんなに硬くなっちゃって」
「や…っん…っぁ…っ…」

突起を口に含んで舌で転がす。
感じやすくなっているのは本当で、抱き合う度にもえの感度はよくなっていくように思う。
―――それもこれも、俺が…。
暫くの間、柔らかい膨らみを堪能して、スカートのファスナーに手を掛ける。

「もえ、ちょっと腰を浮かせて?」

ここで言う通りにするのもなんだと思いつつ、しないわけにもいかず…。

「そう、いい子だね」
「なんか、その言い方子供みたいですぅ」
「うん?子供はこんなこと、しないだろう?」

ちょっと拗ねてしまったもえが、可愛い!なんて思いながら布越しに指を滑らせると、そこはもうしっとりと濡れていて…。

「…んっぁ…っ…」
「気持ちいい?」
「そ…んなっ…っ…」

ショーツを脱がせて秘部に直に指で触れると、すっかり和也を受け入れる準備が整っているようだった。
その前に何本か指を出し入れして、もえを一回イかせる。
慣れたとはいっても、まだまだそこは狭いから。
そして、まだ服を着たままだった和也は全てを脱ぎ捨てて、もえの中に自身を沈める。
入れただけなのに、あまりの気持ちよさにすぐにでもイってしまいそうだった。

「…っあ…っ…っ…ん…っ…」
「…っ…くぅ…」

無意識にもえの腰を自分の方へ引き寄せて、最奥まで自身を入れる。

「…っあぁぁぁっ…っ…和…也…さん…っ…ん…」
「も…え…っ…」

ほとんど同時にイったと思う、いや和也の方が少し早かったかもしれない…。
余韻を感じていたくて、少しの間和也はもえを抱きしめていた。

+++

「あら、もえちゃん。芹沢主任、お休みなの?」
「はい…」
「早く帰ったのにな。そんなにひどかったのかな」

―――まさか…言えないわよね。
えっちして裸で眠ったばっかりに、朝起きたら38度の熱を出していたなんて…。

あのまま二人で眠ってしまい、和也は熱を出してしまったのだ。
何のために昨日、もえは泊まったのだろう?
心配しつつ、懲りずに今夜も彼の家に行こうと思うもえだった。


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