Snow Blue
Story18

R-18

その後、子宝の湯に長寿の湯・・・・・と七湯全部入ったら、さすがにふやけてしまった4人。
暫く、外の空気にあたってから宿に行くことにする。
でないと、せっかくのマイ露天風呂にゆっくり入れなくなってしまうから。

「もえちゃん、気持ちよかったわねぇ」
「はい。みんなそれぞれお湯が違ってて、とっても気持ちよかったです」

ほんのりと火照ったもえの顔は、大人の女の色気を感じさせる。
それを和也が見逃すはずがない。
―――もえ、ヤバイぞそんなに色っぽくて。
今からそんなんじゃ、俺はどうすりゃあいいんだよ。
温泉はもちろん気持ちよかったが、それどころではない和也だった。

一行が泊る今夜の宿は、秘湯とは思えないくらい高級感漂う数奇屋造りの和風旅館。
さすが、“秘湯研究会”所属の経歴を持つ雄斗が厳選しただけのことはある。
自然を生かした庭の中に、贅沢に点在する離れ。

「ねぇ、雄斗。こんな豪華な旅館なんて、無理したんじゃないの?」

誰が見ても、ここは普通の人が泊るような宿ではない。
熟年の夫婦がゆっくりと旅を味わうというような感じ、若者がワイワイ来るような場所ではないように思う。

「全然。俺を誰だと思ってるんだ?秘湯研究会の名誉会長だぞ」
「雄斗って、名誉会長だったの?それは知らなかったけど、だからって安く泊れるわけじゃないでしょ?」

秘湯研究会に所属しているのは聞いていたが、名誉会長だとは知らなかった。
というか、それはどうでもいい話で、どうしたらこんなすごい宿に泊れるのかということ。

「少し前だったら俺達みたいな若者には泊れなかっただろうけど、今はそういうことを言っている時代じゃないからな。高級旅館も競争が激しいんだ」

雄斗の言うように以前は年配層を中心に腐るほどお金を持っている人達が訪れる宿だったが、今はそうも言っていられない。
女性中心に若い人達にも受け入れられなければ、どこも生き残ってはいけないのだった。

「そうなの。じゃあ、ここって一泊いくらなわけ?」
「値段のことを言うのもなんだけど、1人税・サービス料込みで18,500円。今回は2人で一室だからこの値段だけど、4人で泊ればもっと安くなるんだ」
「え?そんな値段で泊れるの」

美好の予想では30,000円以上は絶対にするだろうと思っていたが、予想外の安さに驚いてしまう。

「裏技があるんだよ。ネットで予約すると、割引の特典があるとかさ」

―――なるほど、さすが雄斗。
と思っても口に出すと調子に乗るので、美好は敢えて言わないことにする。

仲居さんに案内されて、二組のカップルは隣同士の棟へ別れて入る。
みんなで食事も悪くはないが、せっかくだから二人っきりの甘い夜を過ごしたらどうかと、これは珍しく雄斗の配慮だった。
そこに下心がないわけではないが…。

「もえちゃん、また明日ね」
「はい」

手を振って別れると、やっと二人だけになれた。

「やっと、もえを抱きしめられる」

綺麗な庭も檜でできたマイ露天風呂よりも、もえを抱きしめたかった和也。

「和也さん」
「もえ」

もえの頬に手を添えて軽くくちづけると、みるみるうちにお風呂に入ったみたいにピンク色に染まっていく。
こういうところは、初めの頃とちっとも変わらない。

「なぁ、もえ」
「なんですか?和也さん」
「風呂、入る?」
「え…」

―――早速デスか?
まだ明るいからものすごく恥ずかしい気がするが、真っ暗な夜に入ったのではせっかくの庭も見られない。

「ダメ?」
「いえ、入りたいです」

小さな声だったけれど、はっきりと聞こえた和也は『ヤッターッ!』と心の中で叫んでガッツポーズ。
これを楽しみに…いやまだまだこれからだけど、まずは第一段階クリア。
散々お風呂に入ったが飽きないのは、どの湯もそれぞれ違うからかもしれない。
宿のお湯は、少し乳白色でそれほど熱くないのと露天だから顔がヒンヤリ冷たくて心地いい。

誰も見ていないと思ったら結構大胆に服を脱いで入る和也に対し、もえはしっかりタオルで体を隠している。

「もえ、誰も見てないんだから」
「でも…」
「ほら、タオルは邪魔だよ」

和也はもえのタオルを取り去ってしまうと、お互い生まれたままの姿で湯に浸かる。
恥ずかしさよりも気持ちよさの方が勝ったのか、もえの表情も自然に和らいでいく。

「気持ちいいなぁ」
「ほんと、気持ちいいですね」

ほのかに檜の香りが漂よって、本当に気持ちいい。
たくさん入ってどれも甲乙つけがたかったが、やはりこうやって二人で入れるここが一番だろうか?
縁に肘をついて景色を眺めていると、至福の時とはこのことだなと改めて思った。

「和也さん、ありがとうございます」
「ん、どうしたんだ?改まって」
「こんなに素敵なところに連れて来てくれて」
「それは、犬丸さんに言う言葉だな。俺はもえを誘っただけで、ここを選んでくれたのは彼だから」
「そうですね。明日、犬丸さんにお礼を言わないと。でも、和也さんが誘ってくれたんですから、やっぱり和也さんにもお礼を言わないと」

もう一度、もえが礼を言うと和也は少し照れた様子。
和也の方こそこんなに素敵な時間を共有してくれるもえに、礼を言いたいくらいだった。

「俺がおじいさんになっても、もえとこうやってここに来れたらいいな」
「私もおばあさんになっても、和也さんとここに来れたらいいなって思います」

―――もえ、それは俺のお嫁さんになってくれるってことだよな?
遠まわしに言ってみたのだが、彼女はその意味をわかっているのだろうか…。



すっかりお腹が空いた二人の目の前に用意された食事は、彩りも本当に綺麗で食べるのがもったいないくらい。

「美味しそうですね。どれから食べていいのか、迷っちゃいます」
「そうだな」

真剣に迷っているもえの浴衣姿を見ながら、和也はまたまた料理どころではなかった。
はだけるから嫌と言っていたが、時折胸元を押さえるところなんてたまらない。
―――あ〜俺は何を考えているのか…。
それを隠すように宿お勧めという地酒を口にすると、『うまいっ』。

「これ、すごく美味い。もえもちょっと飲んでみる?」
「じゃあ、ほんのちょっとだけ」

弱いしお酒の味はよくわからないもえだったが、ほんのちょっぴり口にすると和也の言う通り『美味しい』。

「美味しいです」
「そっか、もえも酒の味がわかってきたかな」

こんなふうに互いにお酒を注ぎ合っていると、まるで夫婦のよう。
あまり結婚願望のなかった和也も、なんかいいかも?と思ったりして。

この宿は寝室というのが別に設けてあって、初めから布団が並んで敷いてある。
それが妙にエロチックに見えるのは和也だけだろうが、そんなことを思っている彼の横でもえがカバンから何やら緑色の物を取り出した。

「もえ、それ何だ?」
「これですか?パジャマですよ」
「パジャマ?!」

モーモーパジャマは、禁止だと言ったのに…。
でも、見ればそれは緑色…。

「はい。カエルさんのパジャマです。可愛いんですよ」
「カエル…」

牛の次は、カエルか?
もえの好みは時々理解しがたい部分もあるが、なぜここでカエルなんだ。

「ダメだよ。今日は、浴衣でいないと」
「えっ、でもはだけるのが…」
「それがいいんじゃないか」
「かっ、和也さんっ」

和也は我慢できなくてもえの背後から抱きしめると、うなじに唇を寄せて浴衣の胸元から手を忍ばせる。
暴れるから余計にはだけるのに…。
と思いつつも、それを堪能してしまう。
そのまま唇を奪うと、段々おとなしくなっていくもえ。
ゆっくりと横たわらせて、何度も何度も啄ばむようにくちづける。

「…っ…ぁんっ…」
「声、我慢しないで」
「…で…もっ…」
「大丈夫、聞こえないから」

腰紐を解いて胸元を広く開けると、背中に手を回してブラのホックを外す。
形のいい膨らみは、既に硬くなっていて。

「…あっ…ぁっん…っ…」

蕾を口で含んで舌で転がしながら、もう一方の膨らみを手で覆って揉みながら時折蕾を指で刺激するともえの声は一層大きくなって、和也のアソコもそれだけで反応してしまう。

「…やぁっ…っ…ん…っ…」
「もえ、嫌じゃないだろう?気持ちいいって、言わないと」
「そん…なっ…っ…」

足元は浴衣もすっかりはだけて、肢体に手を滑らせながら何度も上下した後にショーツの間から指を入れ秘部に触れるとそこはもうしっとりと濡れていた。

「…和…也…さんっ…っ…ぁっ…」
「…もえ…ヤバっ…俺、我慢できない」

浴衣姿というのは想像以上にそそるもので…和也のアソコは、今にもはち切れんばかり。
一気にショーツを引き抜くと自分も身に着けていたものを取り去って、用意していたゴムを着けてもえの中に自身を埋める。

「…っあぁぁぁ…っ…ぁっ…んっ…っ…」
「…もえっ…っ…」

こんなにも余裕がなかったのは、初めてだったかもしれない。
あっけないくらいにイってしまった。
というよりも、和也が一回で終わるはずがなく…。


腕の中で寝息を立てながら眠っているもえを見つめながら、視線を少しずらすと着られることなく綺麗にたたまれた緑色のパジャマが目に入る。
―――今度は、あれを家に持ってくるのかなぁ…。
カエルを抱きながら眠るのはどうなのか?
そんなことを考えているうちに、いつしか和也も心地いい眠りについていた。


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