「…玲人…恥ずかしい…」
「何、言ってんだよ。今更」
「…だってぇ…」と顔を赤らめながら小さな声で言う杏が、本当に可愛らしい。
いつも強がってばかりだけど、心の中では不安でいっぱいだったに違いないのに…。
お互いずっと想い合っていたというのに、なかなかその気持ちを伝えられなくて。
大切で誰にも触れさせたくない。
やっと自分のモノになったんだ、もう我慢しないから―――。
「ほら、杏。隠してたら、見えないだろう?」
「見なくていいもん」
「どうしてだよ。大人の女性になった杏を俺に見せてくれよ」
―――少女から女性へと変わっていく杏を見て、俺がどんな気持ちだったかわかるか?
周りの男共が、いやらしい視線を杏に向ける度に殴り倒しそうになった。
俺には眩し過ぎて、目さえ合わせられなかったんだからな?
「がっかり、しない?」
「するわけないだろ?その白い肌を見ただけだって、ヤバイのに」
両腕を前でクロスするようにして胸を隠している杏の肌はシルクのように艶やかで繊細で、そしてスラッと伸びた肢体はモデル以上に美しい。
それだけでもクラッとしそうなのだから、全てを見たらどうなるか…言われなくても、想像がつくだろう。
「なんかその言い方、えっちぃ」
「男なんて、こんなもんだろ?ほら、早くしないと強引に襲うぞ」
「やっ、待ってっていうかっ襲うってぇ!だったら、玲人も脱いで。あたしばっかり、ズルイっ」
確かに言われてみれば杏の言う通り、玲人は衣服を身につけたままだった。
これでは、彼女が怒るのも無理はない…。
「わかったよ。ちょっと待ってて」
杏だって数えるほどだが、男性経験はある。
でも、玲人みたいにこんなにも色っぽくて綺麗な男性を今まで見たことがなかった。
「これで、いいか?ん?どうした、杏」
じっと玲人を見つめていた杏が、急に視線を外す。
「ううん。すっごい綺麗だなって思って、見惚れてたの。なのに、あたしは…」
「杏は、誰よりも綺麗だよ。ほら、今度こそ杏の全部を俺に見せて」
これ以上、杏には拒む理由が見つからなくて…。
観念したように目をしっかりと閉じたまま、ゆっくりと腕をずらしていく。
そんな杏を見た玲人が、あまりの美しさに呼吸すら忘れてしまうほどだったなんて、知るはずもない。
「玲人…なんか、言ってよ」
「ごっ、ごめん。あんまり綺麗だから、声も出せなかった」
『大げさね』と言う杏の唇に、そっと玲人はくちづける。
どんなに言葉にしても、きっと彼女は信じてくれないだろう。
―――だから、この体に俺の想いを刻み込んでやる。
「…っん…っ…ぁ…」
耳に息をふっと吹き掛け甘噛みすると杏はここが弱いのか、甘い声と共に体を左右にくねらせる。
「杏、耳弱い?」
「しっ、知らな…い…そんな…こと…っぁ…っ…」
―――弱いんだ。
そうと知ったら、そこを攻めまくるしかないわけで…。
我ながら意地悪だなと思いつつも、男とはそういうものだろう。
そのまま首筋に唇を這わせ、鎖骨のところをきつく吸い上げる。
―――俺の印。
願わくば、一生消えなければいい。
そして、いつの間に…。
そう言いたくなるほど、形がいいふくよかな二つの膨らみ。
その先端の淡いピンク色の蕾は、ツンと上を向いて既に主張していた。
「そんな…に…見ないで…」
「どうして?こんなに綺麗なのに」
好きな人の前で、全てをさらけ出す。
杏にはやっぱり、恥ずかしい以外の何者でもないわけで…。
「…っぁ…んっ…っ…」
「杏の胸、ふわふわして気持ちいい」
「…やっ…そ…んなこと…」
玲人の大きな手でもはみ出してしまうくらいのそれは、マシュマロみたいに真っ白でふわふわしている。
両手でやんわりと揉み解し、時折ピンク色の蕾を指で捏ねたり弾いたり…。
その度に杏の口からは、甘美の声が漏れた。
ずっと待ち望んだ、こうなる日を。
大事にしよう…そう思っていたけど、こんな姿を見せられて、玲人は平常心を保ってなどいられなかった。
すぐにでも、杏の中に入りたい。
固くそそり立った自身を感じながらも、かろうじてそれを抑える。
でなければ、きっと杏を壊してしまうに違いないから。
腰のラインに沿って手を何度も上下させた後、足の間を割って秘部に触れる。
そこはもうすっかりと玲人を受け入れる態勢が整っているように思えたが、今夜初めてひとつになるのだから焦らないようじっくりと時間を掛けて…。
―――俺、もつだろうか…。
「…っやぁ…っ…あぁぁぁ…っ…」
指を差し入れ、内壁を指で掻き回す。
「杏、イきそう?イっていいよ」
「…っあぁぁぁ…やっ…イっ…ちゃ…う…っ…」
「あぁぁぁっ…っ…」と背中を仰け反らせると、杏はぐったりと体を横たえた。
さすがに我慢できなかった玲人はすぐに準備を施すと、まだイったばかりで力の抜けた杏の中に一気に自身を埋める。
「…あぁぁぁっ…っ…んっ…っ…」
「ごめっ、杏。我慢できない」
壊してはいけないとわかってはいても、体が言うことをきいてくれそうになく、玲人は激しく腰を上下させて杏の最奥を突き続ける。
「…あぁぁぁぁぁっ…れ…い…じっ…」
「杏、やっとひとつになれた。愛してるっ」
「…あ…たし…も…あい…し…て…る…っ…」
杏の中は、入っただけでもすぐにイってしまいそうなくらいものすごく心地いい。
本気で愛した人とのえっちは、こんなにもいいものなのか。
「…っん…ぁ…だ…めぇ…っ…あぁぁ…っ…」
「…うぅっ…俺も…イく…っ…」
「…あぁぁぁぁぁぁっ…っぁ…ん…っ…」
二人は絶頂を向かえ、そのまま意識を手放した。
◇
「杏、大丈夫か?」
「あたし…」
「ごめん、ちょっと張り切り過ぎた」
キスできそうなくらい至近距離に玲人の顔があって、おまけにお互い生まれたままの姿で体を密着させている。
ついさっき、ひとつになったばかりなのだということを改めて実感すると、杏の顔は急に熱く火照りだした。
「杏?」
「見ないで」
「何でだよ、さっきから。俺達、恋人同士なんだから、いいだろう?」
「もうっ。恥ずかしいって、言ってるでしょっ」
杏は、玲人の胸に顔を埋めてしまう。
しっかりと体を抱きしめていたから、逃げることはできなかったようだ。
「杏、顔見せて」
「嫌っ」
『っもう!耳元で囁かないでっ』などという杏の心の声など、今の玲人に聞こえるはずがない。
そんな杏のことを何もかもが可愛くて仕方がないと思ってしまうのは、惚れた弱みなのか…。
「あ〜ん」
名前を呼ぶと、頬をピンク色に染めて目を伏せながら杏は少しだけ顔を上げる。
―――ヤベっ。
また、元気になってきた。
若いのだから…というのもあったけれど、やはり相手が彼女だからこんなにも興奮してしまうのだろう。
「なぁ、杏」
「なぁに?」
「もう一回、俺のこと好きって言って」
『恥ずかしいから、嫌っ』って言い返されたら、凹むぞ?…しかし、予想に反して返って来た言葉は玲人をことの他喜ばせるもので…。
「玲人が好き。大好き」
ただでさえ、元気になっていたアソコなのに…。
―――こんな満面の笑みで言われたら、もう抑えることなんてできないんだからな、杏。
「…やっ…ちょっ…」
「杏が悪い。そんなに可愛いこと言うから。俺のココ、どうしてくれるんだよ」
「…それって、あたしのせいなのっ…」
「そうだよ。杏のせいだからな」
再び、第二ラウンドに突入してしまった二人。
夜はまだまだ、始まったばかり。
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